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2011

シオミズツボワムシの培養

ワムシの培養について


これからクマノミの繁殖をやってみようという方のために、ワムシの培養について簡単に紹介しておきます.


・ワムシの培養容器

果実酒用の透明ポリ容器が便利です.4リットル前後の物が手に入り易いかもしれません.私が主に使っているのは8リットルの物ですが、冬場は保温用の水槽に浸ける必要があるのであまり大きな容器だと保温の問題が生じます.


・培養温度

大体摂氏25〜30度ぐらいの間で調整しますが、ワムシの種類(S型,L型、汽水or 淡水)タイプなどによって最適な温度が有るようです.


・海水濃度

これもワムシのタイプに応じて濃度を選ぶ必要がありますが、通常のS型シオミズツボ

 ワムシであれば 14〜20PSUぐらいだと言われています.海水1に対して真水1ぐらい

 の割合でしょうか.1/3〜2/3 海水程度であれば大丈夫なようです.


・ワムシの餌

種苗生産や水産試験場などで最も多く使われているのは濃縮タイプの淡水クロレラだと思います.ドライイースト(パン酵母)やドライクロレラなども使われているようです.濃縮タイプの淡水クロレラは東京近郊の海水魚ショップでは、日海センター(町田市)やマリンルートワン(横浜市)などが常時販売しています.


静岡県焼津市のワムシ屋さんも各種ワムシや培養のための飼料などを扱っていますので、近くでワムシが手に入らない場合はこちらに問い合わせてみて下さい.


濃縮タイプの淡水クロレラは日持ちしませんので、冷蔵庫に保管してもせいぜい1ヶ月ぐらいしか使えません.家庭で小規模のワムシ培養を行うのであれば、1ヶ月で 50ml 〜100ml 程度あれば十分です.


 

クロレラについては、クロレラ工業が代表的な国内のメーカーだと思います.金魚関連の養殖資材を手掛けている三卯養魚場でも淡水クロレラを扱っています.クロレラ工業の20リットルパッケージを 19,800円で販売していますが、100ml から小分けでも販売しています.神奈川県のとある水産試験場の入札公示情報に濃縮クロレラ20リットルの単価が載っていました.ちなみに12,075円/20L でした.廃棄分のコスト、仕入れや販売の手間を考慮しても100mlで200〜300円程度がまっとうな値段でしょうか.


 

三卯養魚場の濃縮淡水クロレラ販売ページ : http://www.san-u74.com/order/ikiesa-02.html#E

・培養海水の交換頻度

培養方法やどの程度の密度で培養しているのかにもよりますが、私の場合通常4〜7日くらいで交換しています.ワムシを濾し取るネット(塩ビDVインクリーサーとシルクスクリーンで簡単に作れます)をスクリーンの網目の異なる数種類用意しておきます.少し粗め(ワムシが楽に通り抜ける線数)のスクリーンときめの細かいスクリーン(大部分のワムシが通り抜けられないぐらいの線数)を直列に組み合わせることで、クロレラ糟を上手く取り除きながらワムシだけを濾し取ることができます.


 

・ワムシに関する正しい知識を身に付ける

水産養殖・種苗関係の本は少ないですが、水産高校用の水産養殖の教科書が良いかもしれません.ワムシ関係の正しい知識を得たいのであれば、独立行政法人 栽培漁業センターの『ワムシ講座』に目を通すのが一番だと思います.



培養初期状態
海水交換直後に濃縮淡水クロレラを添加した状態

半日〜1日後にはクロレラが消費されて海水が透明に近づく
半日〜1日後にはクロレラが消費されて海水が透明に近づく

クロレラ添加前の状態
クロレラ添加前の状態

高密度のワムシで海水が茶色味がかっている
高密度のワムシで海水が茶色味がかっている(そろそろ間引きが必要)

自作の濾し器
濾し器を二段重ねで使用する

糟を上手く分離することができる
クロレラ糟を上手く分離することができる