6

14

2009

アルテミア孵化用便利グッズ

アルテミアを孵化させるのに便利なグッズ


稚魚の初期飼料として欠かせないアルテミア(ブラインシュリンプの幼生)を毎日準備するのは結構大変ですが、そんな面倒な作業を少しでも楽にするためのちょっとした小物を紹介します.


ブラインシュリンプ孵化器


ブラインシュリンプの耐久卵を孵化させるにはペットボトルやプラケースなどで十分なのですが、専用の孵化器が発売されています.私が使っているのは日本動物薬品(株)が販売している『ハッチャー24』という小型の孵化器です.


この『ハッチャー24』は底が卵形になっていてエアレーションによって水流が上下に楕円状に湧き起こるようになっています.孵化後エアレーションを止めると数分で底の方に孵化したアルテミアが集まり、水面近くには卵の殻が浮いてきます.その状態でスポイトで底の方のアルテミアを吸い上げることで有害な殻を吸い込むことなく綺麗にアルテミアだけを分離することができます.



ブラインシュリンプ孵化器『ハッチャー24』
ブラインシュリンプ孵化器『ハッチャー24』


巨大スポイト


ブラインシュリンプ孵化器からアルテミアだけを吸い上げるのに一般的なスポイトでは何度も吸い上げなければならず面倒ですので、一度に大量のアルテミアを吸い上げることのできる巨大スポイトを用意しておけば重宝します.


私が使っているのは、どこかのホームセンターで園芸用として売られていた50ml タイプの物ですが、ネットで調べてみるとアズワンという会社が作っている DROPPER ケミカルスポイト(5-5652-07)という商品のようです.



巨大スポイト50ml
一度に50mlも吸い出すことのできる巨大スポイト(定規は30cm)

アルテミア(ワムシ)濾し取り器


ブラインシュリンプの孵化に使った汚れた海水を水槽に持ち込むのは良くないので、必ずアルテミアだけをシルクスクリーンで濾し取って餌として与える必要があります.繁殖関係の用品を扱っているペットショップなどでも売られていますが、自作派のアクアリストであればわざわざ高価な製品を買うまでもなく、簡単に自分で作れます.


材料は塩ビの異径ソケット(あるいは同径のソケット)とそれに合う塩ビ管少々、シルクスクリーンを用意するだけです.シルクスクリーンの入手方法については、先の記事『稚魚養成BOX2号』を参考にして下さい.


作り方を説明するまでもないと思いますが、異径ソケットの細い方にシルクスクリーンを長さ20〜30mm位に切った塩ビパイプと共に押し込むだけです.このとき塩ビパイプをソケットに接着しないようにして下さい.接着しなくてもシルクスクリーンの厚みが加わりますので、通常の状態よりもかなりきつく圧着されます.接着してしまうとスクリーンの張り替えができなくなってしまいます.スクリーンは目が詰まったり劣化しますので定期的に交換が必要です.


ブラインシュリンプの場合はスクリーンの編目を粗めに、ワムシの場合は細かな編目を選んで下さい.使うシルクスクリーンによって編目が異なりますので、各自で試行錯誤して最適な網目を決めて下さい.


ワムシの場合はクロレラの糟も一緒に残ってしまいやっかいです.できればワムシ用の濾し取り器の前段に少し粗めのスクリーン(アルテミア用スクリーンでも良いかもしれません)をプレフィルタとして用意しておけば、クロレラ糟はプレフィルタに残り、ワムシだけを下段のスクリーンで濾し取ることができます.



VU100/65 異径ソケットで作成した濾し取り器
VU100/65 異径ソケットで作成した濾し取り器

異径ソケットの細い側にスクリーンを張る
異径ソケットの細い側にスクリーンを張るだけの簡単な造り