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2008

規格ガラス水槽のオーバーフロー加工

 この記事は、旧ブログ y2blog (http://y2itec.com/blog/) で紹介した記事、『規格水槽のオーバーフロー加工』と『自作オーバーフロー水槽(3重管)』の2つの記事を、新たに編纂し直したものです.

市販の安い規格ガラス水槽をオーバーフロー加工する


水槽にはアクリル製のものとガラス製のものがあります.それぞれ一長一短がありますが、自分で加工を施すにはアクリル製の方が簡単ですが、残念ながらガラス製に比べれば市販品の選択の余地は少なくなります.大型の水槽や特殊な形状の水槽は殆どがアクリルですが、カスタムメイドになるためどうしても割高になります.一方、ガラス製の水槽は種類も豊富でかつ値段も手頃ですが、重くて割れやすいため素人が加工を施すのは困難です.


アクアリウム初心者にとってオーバーフロー水槽はなかなか手が出せない高嶺の花といったイメージが強いですが、ステップアップしていくうちにたどり着くのがオーバーフロー水槽ではないでしょうか.最初は小型のガラス水槽1つで始めたアクアリウムも、いつの間にか水槽の規模が大きくなり、使わなくなった小型のガラス水槽を持て余している人も多いのではないでしょうか.


そこで今回は不要になったガラス水槽を思い切ってオーバーフロー加工してしまった例を紹介したいと思います.はっきり言ってかなり無謀な挑戦ですので、もし自分で加工をしてみようという方はそれなりに覚悟を決めてやって下さいね.水槽には全く手を加えずにサイフォンボックスを利用したオーバーフロー化という手もありますが、サイフォンボックスは信頼性に欠けるので、水が溢れ出さないための工夫が必要です.


今回オーバーフロー加工を施したのは、ちょっと贅沢ですが ADAの 60×45x45cm (ガラス厚 6mm)の規格水槽です.このくらいのサイズになると水槽のガラスに掛かる水圧も相当なものですので、ちょっとした加工ミスが重大な事故につながる恐れがありますので、もう少し小型の水槽に留めて置く方が賢明かもしれません.


必要な道具: ダイアモンドコアドリル(50mmΦのものを使用)


水槽のサイズに合わせて穴の径は各自で決めて下さい.私はVP40のバルブソケットを使いましたので、50mmΦ でちょうど良かったのですが、市販されているドリルの穴の径にはあまり選択肢がありません.


ダイアモンドコアドリルは大きなホームセンターに行けば手に入るかと思いますが、入手しにくい場合はモノタロウなどの工具通販サイトなどで探してみて下さい.


私の場合は、近所のホームセンターでは50mmΦの物が手に入らなかったので新潟精機の通販サイトから入手しました.


新潟精機の通販サイト(楽天)


アクリル3重管を作成するための各種パーツ


アクリル3重管を自分で作るのは少し難しいのですが、ホームセンター等で使えそうなパーツを買い求め、各自で工夫して見て下さい.アクアリウムショップなどに展示してあるオーバーフロー水槽の3重管の作りを参照するのが良いでしょう.


3重管を自作するのは面倒だという方は、マーフィードなどの市販のパーツを購入するという手もありますね.ちなみに私の場合は、流しの排水パイプ用のパーツと塩ビパーツ(バルブソケットなど)、アクリルパイプの組み合わせで作成しました.


VP40のバルブソケットのネジ側に、ドーナッツ状の形をした 5mm 厚のアクリル板を接着します.今回用意したのはちょうどガラス色のアクリル板でしたが、形は正方形でも良いでしょう.この台座を付けずに直接ガラスとソケットを密着させると力が均等に加わらないので、ガラスが破損する恐れがあります.接着部分にはシリコン系の接着剤で厳重にシーリングしておきます.


メンテナンスのことを考えなくても良いというのであれば台座ごとガラスに接着する方が安全です.ガラス面の両側にはゴムパッキンを挟み込みます.


真ん中の排水パイプはVP40と同じ口径のアクリルパイプを用い、バルブソケットとは接着剤で固定してあります.外側のパイプは排水パイプよりも20〜30mm程度太いアクリルパイプを用意しました.


バルブソケットの外側にアクリル製のリング(厚さ5mm)を被せて、外側のパイプがすっぽりとはまるようにしてあります.一番内側の給水パイプは VP13 の塩ビ透明パイプを使いました.


給水パイプはVP40の直角エルボに取り付けたVP13のソケットに直接ぶち込みます.この部分は簡単に外せるようにするため接着はしていません.


この給水用のVP40直角エルボは加工が難しいので、カキショウテンさんが販売している 給水ソケット一体型の特製エルボ(OF用ピストル 40A・13A)を購入した方が良いかもしれません.


今回使用した3重管用のアクリルパーツは特注しましたが、東急ハンズなどで売られている一般的なアクリルパーツの組み合わせでは難しいでしょう.塩ビ管の規格に合うようなアクリルパイプを入手するには、アクリル製品の専門店にオーダーするのが良いでしょう.


     
アクリル製品の特注に応じてくれるお店
 

・アクリ屋 http://www.acry-ya.com/

・はざいや http://www.hazaiya.co.jp/index.html

・タカマサ樹脂工業株式会社  http://www.takamasa-jyushi.co.jp/


水槽関連のアクリルパーツを取り扱っているお店

・ウエイブクリエイションヤマダ http://www.wave-creation.com/index.htm


アクリルの穴あけ加工


アクリルの穴あけ加工はかなり熟練を要します.3mm位までのドリルでの穴あけであればそれ程難しくありませんが、それ以上の径の穴はいきなりドリルを当てると直ぐにヒビが入り割れてしまいます.


アクリル専用ビットがありますのでそれを用いるのが良いでしょう.専用の刃が手に入らない場合は、3mm位の穴から始めて、1mmずつ徐々にステップアップしていくのが良いでしょう.ドリルの刃に切削油を塗っておくと滑りが良くなり、割れにくくなります.


ガラスの穴あけ


ダイアモンドコアドリルでガラスに穴を開けるのは思ったより簡単でしたが、できればいらないガラス板で穴を開ける練習をして下さい.ドリルを押しつける力加減や回転数の調整など事前に体得しておかないと失敗する可能性が高いでしょう.


穴あけの手順は新潟精機のホームページ(電着ダイアモンドコアドリル)を参照して下さい.


無事穴開けが完了したら、ガラスの切断面で怪我をしないようにヤスリで面取りをしておきます.余程の達人で無い限りどうしてもエッジが欠けてしまいますので、欠けが目立つ場合は特殊な樹脂接着剤などで補修しておいた方が良いかもしれません.ただ接着剤の種類によっては生体に有害な成分を含んでいる可能性が高いので、なるべく使わない方が良いでしょう.


自作の3重管を取り付け、水の循環系の配管を完成させておいて下さい.水槽に水を張りポンプを回し水漏れが無いことを十分確かめて下さい.できれば接着剤などの有害な成分をなるべく水に溶け出させておくために、数日間はこのままの状態で稼働させておきましょう.


水漏れなど特に問題が無いようでしたら、張っていた水を捨て、念のためもう一度水槽全体をすすいでおきましょう.


自作オーバーフロー水槽の完成です.


diamondcore.jpg finished.jpg edge.jpg socket.jpg test.jpg spilltest.jpg tripletpipe.jpg photo00.jpg photo01.jpg photo02.jpg photo03.jpg photo04.jpg photo05.jpg photo06.jpg