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2021

TASCAM Series 102i の改造

先ずは電源部の改造を行ってみる


TASCAM Series 102iでは、単一の DC12V ACアダプタ電源から、チャージポンプ方式の電源変換回路を通すことで、デジタル系やアナログ系で必要となる各種電源を作り出している.当然ながら、これらはスイッチング系の電源変換なので、生成される電源は高周波系のスイッチングノイズまみれの汚染されたものとなる.


あくまでもアマチュア用の音楽機材なので、音質よりも使い勝手やコンパクト性を重視しているので、このような電源構成を採らざる負えないのだろう.使っているパーツ類もどれも安価な物で構成されているので、中途半端な改造では高音質化は期待できそうもないが、とりあえず電源部をデジタル系とアナログ系で分離し、電源トランスとシリーズレギュレータを用いた外部電源方式に改造することにする.



DC-Voltage
電源構成を把握するため、主要部分の電圧を測ってみる

基板上のパーツや回路から電源回路部分の構成を正確に把握することは困難だが、主要部分の電圧を測定した結果から、+12V ⇒ +5V へ降圧してから、更に +3.3V, +1.8V, +1.2V へとデジタル系の電源を生成している.

アナログ系は+5Vから正負の8V系の生成しており、AD/DA変換用として+8Vから三端子レギュレータで+5Vに降圧している.この他、ファンタム給電用に +23V ⇒ +46V という流れの昇圧を行っている.


デジタル系としては、3.3V/1.8V/1.2V の三系統(ひょっとしたら5V系も使っているかも)、アナログ系はOPアンプ用として +8.0V/-8.0V、AD/DA変換系用に +5Vを三端子レギュレータで+8.0Vから作り出している.



Analog +8V Noise
生成されたアナログ回路用 +8V 電源のノイズ

Analog 5V Noise
三端子レギュレータで生成されたAD/DA用の+5V電源のノイズは少し抑えられてはいるが…


折角 +12VのACアダプタを用いていながら、何故か+5Vまで降圧した後、また昇圧しているのであれば最初から+5Vで給電した方が良いのではないかと思うが、ノイズ対策など何か理由があるのだろうか.


とりあえず、電源部改造の方針としては、電源トランスによる外部からの+5V給電を行い、デジタル系の 3.3V/1.8V/1.2V をシリーズレギュレータ(3端子レギュレータ)で、順次降圧をしながら生成することにする.今のところコンデンサマイクを使用する予定も無いので、ノイズまみれのファンタム給電回路はお払い箱とする.必要ならば、専用のマイクプリアンプを自作することにする.

同様にアナログ系の電源に関しても電源トランスから生成したシリーズレギュレータによる +/- 9V 電源を用意し、+8V/-8Vの部分に直接給電することにする.本当は +/- 12V としたかったが、後続の+5Vの三端子レギュレータでの損失が大きくなるので、電圧を抑えて +/- 9V としている.アナログ用に +5Vを別に給電するのであれば、OPアンプ用として +/- 12V を供給した方が良さそうだ.


チャージポンプ用の電源制御ICが稼働するとノイズ生成器となってしまうので、これらの電源制御ICチップは全て取り外しておく.外付けの各種インダクタも取り外して、各電源部分がお互いに干渉しないようにしておく.勿論、米つぶのようなICチップを取り外すと、元に戻すことはほぼ不可能なので、失敗したら全てが終わりという覚悟が必要だ.


基板の裏面側にはXLR(TRS)入力端子からチップTRとOPアンプ(5532)によるプリアンプ回路が組まれているが、このプリアンプ回路の裏側が丁度電源部に該当する.ノイズまみれの電源部と微細な信号を扱うプリアンプ部分が基板を挟んで同居しているのは一体どういう設計ポリシーなのだろうか?音質を重視した設計なら到底このような構成はあり得ないので、やはりこの Series 102i はHi-Fiオーディオとは全然違う世界の産物なのだろう.


この手の音楽系DTM機材ではMIDIで制御可能な作りになっているが、今回は単純なUSBオーディオインタフェースとしての利用なので、邪魔なMIDIコネクタも取っ払って、代わりにモニターのバランス出力XLRコネクタを取り付けることにする.外部給電用の電源コネクタとして、ヒロセ電機の小型5極コネクタをバレルジャック部分に取り付ける.



電源コネクタ
ヒロセ電機の小型5極コネクタから DC+5V(デジタル系)、Dc +/- 9V (アナログ系)を給電する

power feeding points
デジタル系の+3.3V(2カ所)、+1.8V, +1.2Vならびにアナログ系の +/- 9V に給電する

デジタル系の電源基板
デジタル系の電源変換基板をメイン基板の空きスペースに載せる

外部電源と接続
電源トランス方式の外部電源装置を用意する

改造完了
とりあえず電源部分の改造は無事終了

取り込みテスト
LPレコードの音を取り込んでみる


今回は電源部分のみの改造だったが、私の駄耳でも心なしか音質がアップしたように感じる.今回TASCAM Series 102iを導入した目的はあくまでもLPレコードのAD変換なので、この機材を再生用にチューンアップするする気力はあまりないが、折角なので今後時間を掛けて、パーツ類を取り替えたり、回路に手を加えたりしながら音質改善を謀って行くつもりだ.




OPアンプの +/- 12Vドライブ化とアンバランス出力の追加


アナログ回路用の電源として+/- 9V を外部電源で供給していたが、アナログ用の+5V電源を独立させ、OPアンプの供給電圧を +/- 12V まで上げることにした.本当は +/- 15V まで上げたかったが、元々 +/- 8V で設計されていた回路なので、今回は無理をせずに+/- 12V で暫く様子を見ることにする.


オリジナルではモニターアウト端子はTRSフォーンジャック仕様のバランス出力となっているが、バランス出力だけでは一般的なオーディオ機器と接続し難いので、バランスラインレシーバICを用いて、アンバランス化しRCA端子に交換した.


このアンバランスRCA端子出力は、トグルSWでDAC出力部のOPアンプ(4580)回路出力部から、バッファ用のOPアンプ(JRC 8920)を介してDAC出力を取り出せるようにしてある.



Single Ended OP-Amp. Circuit
DACからの差動出力信号をシングルエンド増幅(フィルタリング)している部分

Monitor Output Line Driver
モニター出力をバランスドライブしているOPアンプとディスクリート構成のドライバ

Unbalanced Conversion Circuit
一般的なオーディオ機器との接続を考慮してアンバランス出力を追加した

Back Panel
TRSフォーンジャックを取り外してRCA端子を取り付ける

Testing USB DAC  Functions
DTM用の機材としてはそこそこの音質まで持って行けたかも...

         

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