大雪山 緑岳より高根ヶ原、トムラウシ方面を


Date/Time: 2014:09:24 07:28:11
Camera: PENTAX
Model: PENTAX K-5 II s
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FNumber: 5.0
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Focal Length: 21.0

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y2blog » DIYINHKの上級DACモジュール

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2015

DIYINHKの上級DACモジュール

DIYINHKの面白そうなDAC製品を追加で購入してみた


以前の記事で、Raspberry Pi と組み合わせて使う、DIYINHK製のI2S接続タイプのDACモジュールを2種類ほど簡単に紹介したが、今回その上位版にあたるDACモジュールを追加購入してみた.


今回購入したのは、ESS Technology 社のDACモジュール ES9018K2M を用いた[ ES9018K2M XMOS DSD DXD 384kHz USB DAC with Bit-perfect volume control and SPDIF input ]と日本の旭化成エレクトロニクス製の 768KHz PCM/11.2MHz DSD 対応可能という、最新スペックの AK4490EQを用いたDACモジュール[ 768kHz/32Bit AK4490EQ DAC, I2S/DSD input ]の2枚と、3.3V/5.0V を2系統出力可能な超ローノイズ(0.8uV)仕様の電源キット[ 0.8uV Ultralow noise DAC power supply regulator 3.3V/5V 1Ax2 ]の3品目だ.



DIYINHK Products
今回購入した DIYINHK の電源キットとES9018K2M、AK4490EQ DACモジュール

ES9018 and AK4490EQ DAC Card
ES9018K2M DACと AK4490EQ DAC の基板(部品取り付け前の状態)



DIYINHKのホームページからは殆どドキュメントのような物は無く、基板と部品だけが何の説明書も無く送られてくるだけだ.基板のシルク印刷の文字から組み合わせる部品と各端子の使い方を類推するしか方法は無い.


Burr Brown製品(Texas Instruments)社はかなり親切なデータシート等のドキュメントをユーザに提供しているが、ESS Technology社の製品はNDA契約を結ばないとデータシートを入手することができないようなので、ES9018の使い方を詳しく知るのは難しそうだ.ES9018には 旧シリーズのES9018S と新しいES9018K2M が有るようだが、今回入手したのは新しい方のDACだ.性能的にはES9018Sの方が優れているらしいが、新しいES9018K2Mの方は最高性能ではないがコストパフォーマンスが良い使い易いDACチップのようだ.


旭化成エレクトロニクスの AK4490EQ の方はデータシートが公開されているので、ES9018に較べれば使い方を知るのは比較的容易だと思うが、768KHzのPCMと11.2MHzのDSD(DSD256) というまだ殆ど使われていない高スペックの新しいDACなので、まだ市場の評価が定まっていないので、出てくる音が楽しみだ.



ES9018K2M DACモジュールのピンアサイン
ES9018K2M DACモジュールのピンアサインの説明

AK4490EQ DACモジュールのピンアサイン
AK4490EQ DACモジュールのピンアサインの説明


ES9018K2M DACモジュールのピンアサインとAK4490EQ DACモジュールのピンアサインが異なっているので、この2枚のDACモジュールをピンコンパチブルで実装するのは難しそうだ.ES9018K2M DACモジュールの方には “MCK” マスタークロックのピン位置が “NC” となっており、”MCK” マスタークロックを入力するピンが無い.ES9018に関しては、DACチップ内部で高精度なマスタークロックを発生させる機能を有しているようなので、マスタークロックを外部から注入する必要がないのかもしれない.


ピンのアサインに関しては、

[ ES9018 DAC モジュール ]

 LRCK – D1 (DSD-Lチャンネル?)

 DATA – D2 (DSD-Rチャンネル?)


[ AK4990EQ DAC モジュール ]

 LRCK – D2 (DSD-Rチャンネル?)

 DATA – D1 (DSD-Lチャンネル?)


となっている事から、DSDの左右の信号のピンの配置が逆になっているようだ.これらの違いを全部吸収するようなドータカードを作るのは面倒そうだ.やはりDACモジュールを差し替えて音の違いを楽しむのはそう簡単には行かなそうだ.両方のDACとも後段のOPアンプは NE5532P が同梱されていたが、その時の在庫状況に応じて同梱されるOPアンプが異なるようなので、NE5532P以外にもOPA2604やOPA2134などの好みのOPアンプを使い分けるのも面白そうだ.


電源キット(表面)
こちらは超ローノイズをうたう電源キット基板の表面

こちらは、Linear Technology の最新電源制御ICモジュールLT3042を使った、ノイズが0.8uVという超ローノイズ仕様の電源キットで、D45VH10Gというバイポーラトランジスタを使って、+5/3.3V1Aの電流を出力可能だ.1個 US$59.95 とかなり高目だが、ノイズ特性は他のローノイズレギュレータよりも1桁くらい低いかも知れない.トランスの2次側タップ(AC6〜8V)から基板にダイレクトに入力する仕様になっているので整流回路を用意する必要はない.+5/3.3Vを2系統出力できるので、DAC用の電源モジュールとして最適だろう.



電源キット基板の裏面
基板の裏面側には小さなLT3042チップとダイオードブリッジが予め実装されている

DAC Modules
組み立て後はこんな感じ(一部部品を入れ替えてある)

ES9018K2M DAC
ES9018K2M DAC チップと80.0MHzのNDK 2520SD水晶発振器


XMOS USB と ES9018K2M DACモジュールをつないでみる


今回のES9018K2M DACモジュールは、XMOS USBと直接組み合わせて動作するように設計されているようなので、試しにお互いのコネクタを直結してみた.DIYINHKのモジュールのコネクタは20P(10Px2)のピンヘッダで設計されており、それぞれのモジュールのピンアサインも共通になっているので、DACモジュールを容易に差し替えることができる.


DIYINHKのES9018K2MDACモジュールの説明やFAQの内容によると、

  •  ・ES9018K2M はES9018Sの後継フラグシップモデルで、ESSの特許である ”ジッター除去” 機能が備わっている.

  •  ・ES9018K2MDACモジュールは、Raspberry Pi などの3線式のI2Sに対応している(マスタークロック不要).

  •  ・カスタマイズされたI2C制御ファームウェアが組み込まれたXMOS USB との組み合わせにより、SPDIF端子とUSB入力の切り替えとDSD/PCMのビットパーフェクトなボリュームコントロールが可能.

  •  ・DSD/PCMのビットパーフェクトなボリュームコントロール( “Digital vs. Analog Volume Controls” ) .

  •  ・I2C制御によるボリュームコントロール機能は、ボリュームコントロールを実行中のみアクティブになり、通常の再生中には停止しているので、再生に悪影響を及ぼすことはない.

  •  ・ES9018K2Mはオートミュート機能が備わっているので、PCM/DSD切り替え時にポップノイズが発生しない.


*When the ES9018K2M PCB used with our customized I2C control firmware XMOS USB PCB, extra features include a simple jumper(labeled SPDIF ON) to switch between SPDIF(labeled SPDIF IN) and USB input, bit perfect volume control as well as DSD/PCM playback in foobar without the need to switch ASIO driver every time.



この文書からは、今回のES9018K2M DACモジュール専用にI2Cで制御できるようにカスタマイズしたファームウェアが XMOS USB に組み込まれている(一般用のXMOS USBにはES9018K2M DACモジュールをI2Cでコントロール機能が組み込まれていない?)ので、DSD再生やSPDIF入力の切り替えが”SPDIF ON”ジャンパー端子で可能だと言う意味に読み取れる.



   → ES9018K2M DACモジュールとセットのXMOS USB を購入しないと、上記のカスタマイズ機能は使えない???

何れにしろ、XMOSチップなのでソフトウェア自体の書き換えは容易だと思うが、XMOSのファームウェア書き換えなどDHYINHKさんは対応しないだろうな... やはりI2CによるDACチップのコントロールは自分でプログラムするしか方法はなさそうだ.でもES9018K2Mのデータシートを入手するのは個人では敷居が高そうだな...



ES9018K2M Block Diagram
ES9018K2Mのブロック図(ESS社のPDF資料“ES9018K2M Product Brief” より)


また、ユーザガイドの説明を要約すると、

  •  1. ES9018K2M DACモジュールの必要な電源スペックは、 3.3V (2系統:100mA, 300mA以上)および +/- 12V(100mA以上)

  •  2. SPDIF入力の信号レベルは3.3Vで、東芝TORX147などの光レシーバインタフェースを直接接続することが可能.

  •  3. XMOS USBのカスタマイズされたビットパーフェクトボリュームコントロールを使う場合は、Windows/Mac/Linux OS 組み込みのデフォルトボリュームコントロールを使用する.Foober2000などのアプリ側のボリュームコントロール機能は使ってはいけない.

  •  4. 基板の配線の一部をカットすることで、左右別々のアナログ系電源の供給(AVCC_L, AVCC_R)や、水晶発振器の電源を別系統から供給することが可能.

  •  5. DACの差動電流出力を取り出すための2.54mmピッチのピンコネクタ用のスルーホールがあり、基板のOPアンプをバイパスさせて、好みのIV変換、LPF回路を使用する事も可能.

  •  6. 出力段のOPアンプには、OPA2134, AD8620などの DIP 8pin 2回路入りの汎用的なOPアンプを用いており、ソケットを使用しているのでユーザが自分で簡単にOPアンプを交換できる.(おまけのOPアンプは在庫品を用いているので、そのときの状況に依存する)

  •  7. もっとカスタマイズしたければ、ESSのオーソライズディストリビュータからデータシートを取り寄せてね!( ちなみに日本のディストリビュータは グローバル電子株式会社 だそうです.)


XMOS USB PCB
DAC側のコネクタをメスタイプに変更してあるので、XMOS USB とDACモジュールを直結可能

XMOS + ES9018K2M
XMOS USB + ES9018K2M DAC の組み合わせで音出しテスト

XMOS + AK4490
AK4490 DAC でもテスト

音出しテストではPCM系は何の問題も無く再生できたがDSDの再生が上手くできなかった.私が購入した XMOS USB モジュールは、この最新のES9018K2M DACモジュールが発売される前の物で、恐らく今回のES9018K2M DACモジュール用にファームウェアがカスタマイズされていないのが原因ではないかと考える.これからXMOS USB とES9018K2M DACモジュールを購入する予定の人は、最初からセット商品を購入しておいたほうが無難だろう.購入する場合はディジタルアイソレータ機能付きの XMOS USB が良いかな.



【追記】 DIYINHKの AK4490 DACモジュールに関する捕捉記事


HiFi DUINO“というサイトに、DIYINHKのAK449EQ DACモジュールに関する技術的な補足説明記事が紹介されている.DSDモード時のL-R信号の入れ替え方法など結構参考になりそうな情報が載っているので、AK4490 チップを使うのであれば目を通しておくと良いだろう.


“AKM Verita 4490EQ DAC”

ストロベリーリナックスのちょと便利そうなマイコン付き液晶表示モジュール


DSDに対応した上位版のDACチップをきちんと制御するには、I2CやSPIなどのシリアル通信によるDACチップ制御が必要で、PICなどの組み込み用のマイコンを使ってDACチップを制御しなければならない.Raspberry PiのLinuxでは、GPIOピンからI2C信号を出力することができるので、Raspberry PiからDACチップを制御することができるので、Raspberry PiをDACコントローラ代わりに使えば良い.高々DACの制御のためにRaspberry Piを使うのはあまりにも大仰かもしれない


PICと16×2行タイプの液晶表示器を使ってDAC制御ボードを作成している人達が多いが、ストロベリーリナックスから液晶表示器とUSBマイコンを組み合わせた、”lpclcd USBマイコン内蔵I2C液晶モジュール(16×2行)” という製品が発売されていたので、DACコントローラ用途に使えそうなので購入してみることにした.



lpclcd の液晶表示器
lpclcd の液晶表示画面

lpclcdのマイコン基板
lpclcdのマイコン基板(NXP LPC11U24)

USBマスストレージクラスとして認識される
PCからはUSBマスストレージクラスとして認識される


これを使えば、Raspberry Pi を使わない USB DAC装置などでも単独のコントローラとして便利に使えそうだ.USBのマスストレージクラスのインタフェースを備えており、制御プログラムを “xxxxx.bin” というようなバイナリー形式のファイルで置いておくだけで良い.PICライターの様な専用の開発環境は必要ないのでPCだけで事足りる.


lpclcdではNXPのCortex-M0マイコンを使用しているので、組み込み系の開発経験がないと少し難しそうだが、これを期に組み込み系の開発を少し齧ってみようかと思う.



ストロベリーリナックスからの資料だけでは、イマイチどうやってこのlpclcdを使って良いのか分からないが、NXPのCortex-M0マイコンに関する開発のドキュメントは結構WEBに出まわっているようなので、今後lpclcdを使ったDACチップの制御について調べて行くことにしよう.


とりあえず、NXPのCortex-M0マイコンを使い始める上で参考になりそうな連載記事があるので、そのリンクを紹介しておく.


「mbed」で始めるARMマイコン開発入門」

LCD and mbed LPC1114FN28
16 x 4 文字の大きなLCDモジュールと スイッチサイエンスの mbed LPC1114FN28

秋葉原にパーツの買い出しに行ったついでに、秋月電子で16×4文字表示可能な大型のLCDを見つけたので購入してみた.自作DACのディスプレイに使って見ようと思う.ARM系のマイコンではスイッチサイエンスさんが販売している、mbed LPC1114FN28 も購入してみた.28ピン600MIL DIPタイプのNXP社製Cortex-M0マイコンチップ LPC1114FN28/102 をICソケットに搭載したモジュールで、マイコンチップをソケットから外して単独のマイコンチップとして動作させることが可能だ.イメージ的にはPICライター的な扱いだろうか.


mbed LPC1114FN28の開発に必要な情報は、 ARMのmbed情報ページ http://developer.mbed.org/platforms/LPC1114FN28/ から入手可能だ.


今回はモジュールにソケットが半田付けされていないタイプの製品を購入し、ICの着脱が容易にできるZIFソケットを装着してある.今回使用したZIFソケットは秋月電子で手に入れたサイズが大きめの物だが、mbed LPC1114FN28のモジュール基板の部品と干渉してしまうので、ソケットの一部を削り落とした状態で搭載してある.できればもっと小型で薄型のZIFソケットを探し出した方が使い易いだろう.PICのスリムなDIPパッケージと較べると、600MILの28pin DIP サイズはあまりにも大きい.このチップをDACのコントローラチップとして使うと、他の表面実装型のチップサイズと合わないので、ちょっと間抜けな感じになりそうだ.




今後の自作ディジタルオーディオシリーズの展開?


とりあえず、DACモジュールやUSB DAI、Raspberry Piなどの制御系や電源関連が一通り揃ったので、これらを組み合わせてどのようにシステムを構成するのか考えて行くことにしようと思う.DACのサンプリング周波数を自動的に調整するサンプリング周波数変換とジッターを取り除くジッタークリーナー的な機能を追加できれば、何十万円もする高級DACを買わなくてもそこそこの性能のDACでデジタルオーディオを楽しむ事ができそうだ.


10年以上前にPICの開発環境を用いて、PICマイコンで遊んでみたことがあるので、PICで自分専用のファームウェアを開発して組み込むこともできなくはないが、やはり今はARMマイコンが組み込み系の主流だろう.多種多様な開発環境や実行環境が用意されており、これらに関する書籍などの情報も豊富だ.何と言っても ARM が embed というWEBクラウドベースの無料開発環境や開発環境(NXP SemiconductorsのEclipseベースの開発環境 ”LPCXpresso“ など)が整っており、組み込み系の初心者でも比較的手を出し易いのが良い.


Digi-Keyから、今後の自作に必要なDACやクロック系の制御チップ、デジタルアイソレータなどのチップを取り寄せてみた.まだこれらをどのように組み合わせるのか思案中だが、ARMマイコンと組み合わせてアップサンプリングやジッター除去、デジタルアイソレーションなどの機能を実装して行こうと思う.最近は表面実装部品だらけなので、ユニバーサル基板による実装は殆ど不可能に近いが、幸いなことに最近個人でもPCベースの基板作成用CADツールや安価な少量生産の基板オーダーシステムが使えるようになっているので、今度はこれらを利用して自作に挑戦してみようと思う.


Digi-Key
Digi-KeyからDACチップやディジタルオーディオ関連チップを取り寄せてみた

IC Parts
各種ICチップ(上から DSD1792 PCM1792, SRC4193IDB, SI53170, 570BF, ISO7640FM, SI8440AB)


最近デジタルオーディオの自作にちょっと嵌まり気味だけど、今の仕事の任期が今夏で切れるので、暫くは次の仕事探しをしなくてはならないので今後はあまり時間がとれそうもないかな... さて次は何の仕事をしようかな.何処かに面白い仕事無いかな...



【追記】AK4495S, AK4497, ES9038PRO など


DIYINHKの最新のDACボードキットに関しては、個別記事で言及しているのでそちらの記事を参照して欲しい.

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