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08

2015

Raspberry Pi 2 + Volumio + DAC でネットワークオーディオに挑戦(その4)

先ずはSunhayato MM-5102 DACモジュールで音出しテスト


DACチップを買ってきて自分で表面実装部品を半田付けするのはしんどいので、半完成品であるSunhayato MM-5102 DACモジュールをRaspberry Pi 2 につないでみた.このMM-5102 DACモジュールはPCM5102Aにほんの少しだけ周辺部品を付け加えただけの製品ではあるが、元々PCM5102A自体がほぼ外付け部品を数個付け足すだけで動作する様に設計されているので、素のPCM5102Aと使う部品はそれ程違いはない.


20pin DIPサイズのMM-5102 DACモジュールをとりあえずブレッドボード上に配置して、MM-5102の説明書に従ってRaspberry Pi 2 のGPIOピンと結線していく.このMM-5102 DACモジュールはRaspberry Pi 専用という訳では無いが、メーカーのSunhayatoはRaspberry Pi との組合わせを想定している様で、説明書の内容もRaspberry Pi との接続方法に重点が置かれているので、初心者(最低限の電子工作の知識は必要)でもそれ程難しくないだろう.


DAC チップでの音出し成功!
ブレッドボード上の配線は複雑に見えるかもしれないが、Raspberry Pi との接続はとても簡単だ

ブレッドボード上で配線したので、アースラインや電源部の配線でごちゃごちゃして複雑な配線に見えるかもしれないが、基本的にはI2S信号線の3本だけで良い.今回はテストなので、MM-5102の電源はRaspberry Pi のGPIO端子の電源(+3.3V)から取っている.当然ながらRaspberry Pi から供給される電源はPCのノイズまみれの汚い電源なのでそれなりの音質を求める場合は、外部のまともな電源から+3.3V電源を供給する必要がある.可能で有ればMM-5102用の+3.3V系電源も2系統用意して、アナログ系とデジタル系に分ける事を推奨する.


デジタル系の+3.3VはRaspberry Pi からの供給にして、アナログ系だけを外部の+3.3V電源でも良いだろう.MM-5102(PCM5102A)自体のピン配置が左右でデジタル系とアナログ系に分離されているので配線作業は容易だ.この製品が発売された時点ではまだRaspberry Pi 2 が発売されていなかったので、Raspberry Pi 2 に関する記述は一切無いが、基本的なGPIOのピン配置は Raspberry Pi B+ と同じなので、Raspberry Pi B+ の結線図と同じように配線すれば良い.


説明書には Raspberry Pi 側のLinux (Raspbian) の設定ファイルの修正に関する記述があるが、今回はRaspbianではなく Volumio を使っているので、最新版のVolumio(V1.55)では設定を変更する必要はない.


このMM-5102 DACモジュールでRaspberry Pi 用のDACモジュールとして組むには、ユニバーサル基板等を使って実装しなければならないので、電子工作初心者には少し敷居が高いかもしれない.


...という訳でVolumioのBlog記事の中で紹介されていた、香港のDIYINHKという会社(殆ど個人ベースで運用している会社の様な感じ)が販売しているDACモジュール基板(端子類だけ自分で半田付けする)を2種類、USB/I2Sインタフェース基板キットを2つ程購入してみた.



DIYINHK製のRaspberry Pi I2S接続対応可能なDAC基板


DIYINHK DAC Modules
香港のDIYINHKから購入した DAC kitとXMOS USB to I2S/DSD kit

DIYINHKはその名の通り (D.I.Y in Hong Kong ?) 香港を拠点にするエレクトロニクス製品(ディジタルオーディオ関連が主体のよう)のD.I.Y. キットを販売している会社だ.販売している製品の値段も手頃で、PayPalアカウントがあれば簡単に購入できるので、興味のある人は一度ショップのホームページを覗いて見ておくと良いだろう.


香港の会社なので購入するのはちょっと躊躇うかもしれないが、きちんとした会社で製品作りに関してもかなり拘り(特に電源周りのノイズには拘っている様だ)のあるオーナー(Ngan Shing Fungさん?Paypalのレシートには売り手の名前としてこの人の名前とメールアドレスが記載されている)が設計を行っているようだ.土曜日に発注して次の土曜日に届いたので、在庫があれば1週間ほどで日本に届くだろう.参考までにに今回の発注リストを載せておく.


“XMOS DSD DXD 384kHz high-quality USB to I2S/DSD PCB” はUSB入力のI2S(&DSD)出力可能なUSBインタフェースモジュールで、PCM384KHz, DSD64,DSD128,DSD256まで対応可能な製品のようだ.まだちゃんと試してはいないが、Audirvanaからはきちんと認識されているので多分問題無いだろう.似た様な製品にイタリアのAmnero社のCOMBO384があり、日本ではこちらの製品の方がメジャーだろう.Amnero社から直に購入するとUS$97+送料(UPSで$39, EMSメール便で $9)なので、共立エレショップ(12,800円税込み?)や秋葉原のショップなどでも販売されているので、手間を考えると日本で購入した方が良いかも知れない.現在(4/8時点)では2個買うと$20 OFFという特典が付いている.



説明	     単価	   数量	金額
24Bit/192KHz ES9023 DAC, I2S input, Ultra Low Noise Regulator
商品番号26	$19.95 USD	1	$19.95 USD

384kHz/32Bit PCM5102A DAC, I2S input, Ultra Low Noise Regulator
商品番号31	$29.50 USD	1	$29.50 USD

XMOS DSD DXD 384kHz high-quality USB to I2S/DSD PCB - XMOS option : XMOS and LED PCB
商品番号58	$55.95 USD	2	$111.90 USD


             小計	$161.35 USD

           配送手数料	$14.00 USD

              合計	$175.35 USD

DIYINHK PCM5102A DAC,
DIYINHK製の384kHz/32Bit PCM5102A DAC, I2S input, Ultra Low Noise Regulator

Raspberry Pi 2 とI2S接続
こちらはRaspberry Pi 2 と簡単にI2S接続可能(マスタークロック入力は不要)

DIYINHK ES9023 DAC
こちらは別なDACを搭載した 24Bit/192KHz ES9023 DAC, I2S input, Ultra Low Noise Regulator

ES9023 DAC
ES9023 DACの方は外部からマスタークロックを注入して動作確認してみる

マスタークロック用に共立電子の『PLLクロック独立実験基板』(左端)を使用

(基板に直接50.0MHzの水晶発振器を取り付けてマスタークロックを注入することも可能)


USB2I2S Module
XMOS DSD DXD 384kHz high-quality USB to I2S/DSD PCB + USBインジケータキット

Mode Indicator LEDs
オプションのLEDモードインジケータ(再生するモードに合わせてLEDインジケータが点灯する)

Audirvana の再生モード
Audirvana で再生可能なモードが緑で表示されている

“XMOS DSD DXD 384kHz high-quality USB to I2S/DSD PCB” の上位版としてデジタルアイソレータチップが出力部に組み込まれている”Isolated XMOS DSD DXD 384kHz high-quality USB to I2S/DSD PCB with ultralow noise regulator” US$ 83.95 という製品もあるので、PCからのノイズ流入が気になる場合はこちらの方が良さそうだ.


DIYINHK製品の問題点


安くて面白い製品なのは良いのだが、製品に関する説明書のようなものが一切付いてこない.ホームページをくまなく探してみたがホームページにも製品に関する簡単な紹介文しか載っておらず、端子の使い方やスペックなどの必須情報は何も入手できなかった.自分でチップの型番やシルク印刷の記号および回路パターン等から推定するしかない.これでは一般的なユーザは手も足も出ない.電子工作経験のあるデジタルオーディオマニア以外は手を出さない方が無難かもしれない.


“XMOS DSD DXD 384kHz high-quality USB to I2S/DSD PCB” に関しては、製品の説明に簡単な接続方法の記述が載っている.


User guide:
1. External regulated 3.3V power supply is connected to CN1 pins label 3.3vINx2
2. For DSD playback, LRCK= DSD D1(Left channel), DATA= DSD D2(right channel), BCK = DSD Bit Clock
3. For DSD playback, windows volume mixer must be set to full volume.
4. If you do not play DSD from the computer, the PCB will not output DSD signal. It's the same as our old PCB without DSD
5. Pins labeled (SDA SCL RST MUTE P8) in CN1 are reserved for used with DAC firmware customization(i.e. software control different DAC with different firmware), it should be left unconnect. CN2 Pin labelled DSDon is high when playing DSD and low when playing PCM.
6. Different DAC require different software command to switch between DSD and PCM mode. Please read the corresponding DAC datasheet for detail.
7. Please also check our highest c/p USB DSD DAC combo with custimized firmware and Bit-perfect volume control.

この説明を見る限り、DSD信号のピン出力先の割り当てとDSD出力時にCN2の”DSDon”ピンが “HIGH” になるという記述があるので、Amanero Combo384 とはDSD信号のピン割り当てが違うので、回路の若干の変更が必要になりそうだが、Combo384の代替としてお手頃ではないだろうか.


参考までに、Texas Instruments の高性能DACチップ PCM1792 のDSD再生時のピンアサインは、

 BCK/DBCK
 LRCK/DSDR
 DATA/DSDL となっているので、DSD再生時は左右のチャネルが入れ替わってしまうだろう.



日本のディジタルオーディオ系D.I.Y製品


日本にもDHYINHKのような半完成品のデジタルオーディオモジュール製品を取り扱っている会社(&個人ベース)があるので簡単に紹介しておく.


先ずは、(PC周辺機器業界では)大手のラトックシステムズが販売している、REX-K24192DSDUREX-K2496UがPCオーディオ製品を手掛ける老舗のメーカー製ということもあり、ホームページ上にはFAQなども用意してあるので安心だろう.少し前の製品なのでDSD64までしか対応していないことと値段がかなり高い(両方とも3万円以上する)のが難点だ.


ラトック製品はちょっと高過ぎると言う人には、共立エレショップ系で販売しているデジタルオーディオキットシリーズがお手頃な値段や製品のバリエーションが豊富なのでお薦めだ.基板完成品と自分でパーツを半田付けするキットがあるので、電子工作にある程度慣れた人であれば自分で半田付けするタイプの方が自作感があるので面白いだろう.上記のES9023 DACのテストでは、このデジタルオーディオキットの中から『PLLクロック独立実験基板 / CLK_1707_D』(¥2,757)を使ってマスタークロックをDACに入力している.


後は会社の製品というよりは個人ベースの製品になるが、Mi-Take 美武クリエイト(美濃部 武治さん)が設計して販売している、 System72シリーズがリーズナブルな価格でバリエーションも結構あるのでお手頃だろう.技術資料もきちんと紹介されているので、自分で手を加えることも可能なのでハイエンドユーザにも重宝しそうだ.個人ベースでの販売なので何時でも製品のストックがある訳ではないようだが、Yahooオークション(メールによる直接販売にも対応してくれる模様)を通じて販売しているので入手は比較的容易だろう.


美濃部さんは『トラ技 エレキ工房 No4. 』の第5章『DSD対応USBヘッドフォン・アンプの製作』の記事も執筆しているので、Combo384関連のモジュールを使って自作してみようと思っている人はこの記事に目を通しておくと良いだろう.


トラ技 エレキ工房 No4.

これ以外にも個人ベースでディジタルオーディオ関連の話題を紹介し、実際に設計した基板を販売店経由で卸しているサイト “new_western_elec” を紹介しておく.このサイトの『頒布中の基板一覧』で実際に入手可能な基板の一覧が紹介されているので、興味のある人は覗いて見ると良いだろう.現在はスイッチサイエンスさんという販売店経由で入手できるとの事なので、自分でパーツを揃えるところから始めたい人には便利かもしれない.new_western_elecのサイトの技術情報も、自作派にとっては大変参考になるので、こちらも目を通しておいて欲しい.


Interface 2014年9月号『本格デビュー!ハイレゾLinuxオーディオ』


Interface 2014年9月号

Interface誌もトラ技の弟分的なCQ出版社の雑誌で、どちらかと言えば組み込み系コンピュータの設計やプログラミング等に重点を置いている雑誌だ.こちらでも Raspberry Pi でのハイレゾオーディオ特集を組んでいるので、とても参考になりそうだ.



自作ディジタルオーディオユーザのページを幾つか紹介


こちらは製品の設計や販売を行っている訳では無いけど、自分で拘りを持って自作ディジタルオーディオに挑んでいる人達のページへのリンクを載せておくので、こちらも是非とも覗いてみて欲しい.現時点ではまだリンクリストは少ないけど、見つけ次第順次追加していく予定.(リストの順番はてきとーです)



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