那須連山


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y2trip » 4/29 『足摺岬を目指して』 第2日目

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2007

4/29 『足摺岬を目指して』 第2日目

4/29 『足摺岬を目指して』 第2日目


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久百々へ


朝食を食べていると、お遍路の間で38番の金剛福寺から39番の延光寺までどういうルートが良いかという話題になった.この区間のルートは幾つもあり、初めての歩き遍路にとってはどのルートを採れば良いのか結構悩む所でもある.


私以外のお遍路さん達は結構ルート選択に迷っていたようだった.私は同じ道を往復するのは嫌だったし大好きな海岸線を歩きたかったので、私は当初から一番遠回りな大月神社経由の海廻りルートを行くことに決めていた.結局私以外はみな金剛福寺への打戻りルートを選んでいた.


7時30分に宿を出たが、歩いている途中でテーピングがずれてしまい、大方のお遍路休憩所でテーピングをやり直していたら、岩本寺の宿坊で一緒になった静岡の区切り打ちの男性が通り掛かった.この男性は昨夜は東寺大師堂という簡易宿に泊まったらしいのだが、宿の関係者が誰も居らず、連絡もとれなかったのでそのままそこの宿に泊まったらしい.朝になっても誰も来ないので、そのまま出てきたといって怒っていた.


須崎のお遍路休憩所にやたらとこの宿の宣伝ビラがばらまかれていたのでこの宿の事は知っていたのだが、かなり胡散臭そうだった.昨日この宿の前を通った時にちょっと覗いてみたら、貨物コンテナを改造した簡易宿泊施設だったので、野宿派が泊まるには良さそうだったが、一般のお遍路さんの泊まるような所では無さそうだった. 


私はまだテーピングに時間が掛かるので、静岡の男性に先に行って貰った.土佐入野の海岸を歩いていると、連休ということもあり朝から大勢の人達が浜辺に繰り出していた.海辺のレジャーを楽しむには良さそうな海岸だったが、お遍路には何となく場違いな異次元の空間に感じられた.


海岸の休憩所で再度テーピングをやり直していたら、60代くらいの男性お遍路さんがやってきた.この男性は長野から来ているが、心臓の血栓症で通院しているのであと2~3日したら一旦長野に帰らなければならないと言う.そんな持病を抱えていて過酷な歩き遍路をしても大丈夫なのだろうかと心配になる.


大方の海岸を離れ四万十大橋へ向かっている途中、丘の上の休憩所で30代位の男性が休憩していた.お遍路の身なりはしていなかったが、バックパックを背負って歩いているようだった.この男性と話をしていたら静岡の区切り内の男性もやって来たので、三人で色々とお遍路のことや靴のことなど色々と話をしていた.


この男性の話では山道が有るからといってトレッキングシューズで歩くのは良くないという.理由を尋ねると、トレッキングシューズは足首をしっかりとガードしてぐらつかないように作られているので、靴に頼りすぎて安直な歩き方をしてしまうのでかえって足を痛めやすいのだという.ジョギングシューズの方がその分慎重に山道を歩くので怪我はしないのだという.確かにトレッキングシューズでは足場の悪いところでも気軽に歩いてしまうことがある.なるほど一理あるなと感心した.


この休憩所で30分以上3人で話をしていただろうか.この男性も中村方面へ行くというので3人で話をしながら歩いた.色々話を聞いていると、この男性はもう7年も四国を歩き続けているという.何年も四国を歩き続けている人達が居ることは話に聞いて知っていたが、この男性もそうなのだろうか.とても綺麗な身なりをしているのでとても何年も廻っているお遍路ホームレスには見えなかった.四国の要所要所に支援してくれる人達が居て、暫く泊めてくれたり食事を提供したりしてくれるという.彼がこのような生活を続けている理由は知る由もないが、何だかお遍路の負の側面を見てしまったようで、とても複雑な心境だった.


この男性と別れ、静岡の男性と一緒に四万十川へ向かった.静岡の男性は百名山にも挑戦しているアウトドア派の山屋さんだったが、急に何十キロも歩き始めたので、かなり足腰の状態が悪化していて歩き方がぎこちなかった.連休を利用した区切り打ちでは日程ががちがちに決まっているので、徐々に体を慣らして行くわけにも行かず、皆体のコンディション作りに苦労しているようだった.


四万十大橋の手前のコンビニで昼食を食べながら休憩することにした.コンビニの駐車場には30歳ぐらいの男性遍路さんが休んでいた.この男性は野宿派らしく大きなザックにキャンプ道具一式を持ち運んでいた.話を聞くとこの男性は既に300名山を制覇したという.それにしても300名山を制覇するには一帯どれくらいの時間とお金が掛かるのだろう.世の中には凄い人達がいるものだと感心させられた.


1時間位このコンビニで休憩した後、四万十大橋を渡り川沿いに国道321号線を下って行った.四万十川は吉野川と並んで四国を代表する川で、最後の清流と呼ばれているほど水の綺麗な川らしいが、この付近は河口に近いせいかそれほど水は澄んでいなかった.お洒落な長屋のような建物が川岸に建っていたので側に行ってみると、大きな水門の機械小屋だった.剥き出しのコンクリートではなくお城の城門風に作られていて、なかなか洒落た水門だった.このようなお洒落な水門がもっと増えると河川を管理する側も川に接する住民ももっと川に愛着が持てるようになるかもしれない.


対岸にある広大な河川敷では何かのイベントが行われているようだった.時折風邪に乗って場内アナウンスが聞こえてくるが何のイベントなのかよくわからなかった.河川敷の上空ではラジコン飛行機が盛んにアクロバット飛行をしているので暫く様子を眺めていた.どうやらこのイベントはラジコン飛行機の競技大会のようだ.会場へ寄って見て行きたかったが、川の対岸なので諦めて華麗なアクロバット飛行を暫く眺めていた.時折遊覧飛行の本物のヘリコプターが河川敷の奥から離発着を繰り返していたが、遠くから見ているとまるでラジコン操縦の模型のようだった.


四万十川を離れ山越えの道に入ると、途中に小さな大文字焼きの山が見えた.お盆の季節に四万十川の河原からこの送り火を見ながら、灯篭を流す光景が目に浮かんだ.


連休中のせいか、やたらとバイクの集団が足摺方面へ向かっていく.日射しが強くかなり暑い中、緩やかな上り坂を登っていくと、新伊豆田トンネル入り口に差し掛かった.このトンネルはまだ新しく、トンネルの中は照明設備や歩道も備わっているので車にびくびくしながら歩かなければならないような部分はないが歩いても歩いても一向に出口が見えてこない気の遠くなるような長さのトンネルだった.全長1620mもあるトンネルを抜けるのに15分以上も掛かってしまったが、さすがにこのトンネル抜けたときはかなりホッとした.


トンネルを抜けた先にあるドライブイン水車の前で、今朝大方の浜で会った血栓症の持病がある長野の男性と女性二人組が休憩していた.男性の名前は分からなかったが、女性二人組は彼のことをタケちゃんと呼んでいた.


私は一息つきたかったので、彼女たちに先に行って貰った.10分ぐらい休憩してから国道321号線を下ノ加江方面に歩いていると、横を流れている水の綺麗な川でカワセミが餌の魚を狙っていた.狙いを定めると一瞬で魚を捕らえてしまった.TVではカワセミが魚を捕らえる場面はよく見ていたが、実際にその様子を目の当たりにするととても感動した.


下ノ加江の手前で、3人組に追いついたので暫く一緒に歩きながら話をしていた.話をしていたらこの女性二人組は36番青竜寺の手前ですれ違った女性達だったことが判った.納経時間がとうに過ぎているにも関わらず私が青竜寺に向かっていたので、不思議に思っていたのだそうだ.


この女性二人組は都内から来ていて一人は20代半ばくらいのKHさんで、もう一人はもう少し年上のKNさんだった.この2人は少し歳は離れているようだったが、同じ職場の同僚だと言っていた.KNさんはちょっと控えめな落ち着いた感じのお姉さん、KHさんはやんちゃな妹と言った感じだろうか.両方とも名字のイニシャルがKなので彼女達をK2組と呼ぶことにする.


KHさんは相当な負けず嫌いで、途中で私に追いつかれたのがかなり悔しかったようだった.冗談で下ノ加江までどちらが早いか勝負しようかと言うと、本気で勝負に乗ってきそうだった.KNさんは頼むからこの娘を嗾けないでと嘆願していた.これまでも何度もKHさんが他のお遍路さんに対抗意識を燃やして暴走するので、大変な目に遭って来たらしい.


下ノ加江のコンビニで買い物をしていると、店内に埼玉のOさんが浴衣姿でうろついていた.今日はこの直ぐ裏手にある安宿という宿に泊まっているという.お風呂上がりに缶ビールと酒のおつまみを買いに来たらしい.タケちゃんも安宿に泊まるようなので、タケちゃんとここで別れK2組と一緒に下ノ加江を後にした.


私は運良く久百々を予約することができたが、K2組はその先の大岐海岸の宿に泊まると言っていた.ここからだとまだ1時間以上は掛かるだろう.久百々に入ると女将さんが出てきた.名前を告げると女将さんが怪訝そうな顔をしている.今日予約をして有るはずだと言うと、女将さんが一旦確認のため奥に戻ってまた戻ってきた.『ご免なさい 今日の予約リストに入ってなかったの 部屋はすでに一杯なので、相部屋でも良いかどうか他のお遍路さんに聞いてみるから少し待って下さいね』と言って、相部屋の交渉をしてくれた.どうやら女将さんが日にちを間違えたか、予約リストに名前を載せるのを忘れていたようだった.


幸い、1階の大きな部屋に泊まっていたお遍路さんが快く相部屋を承諾してくれたので、同室させていただく事にした.今晩の食事は大丈夫だという.部屋は一番大きな部屋で7~8名ぐらいは泊まれそうだった.この日の宿泊客は全部で7名だった.この宿に2連泊して金剛福寺を打戻でお参りする人が2名程泊まっていた.ここから金剛福寺までは片道約20km、往復40kmも有るが、宿に荷物を置いて身軽な状態で歩けば、1日で楽々往復できる距離である.


久百々の女将さんもお遍路の間ではちょっとした有名人らしく、この宿もいつも予約で一杯のようだった.女将さんはとても明るい人で女将さんの人柄もこの宿の人気を支えているようだった. 



起点
 
経由地
 
終点
区間距離
累積距離
備考
民宿 日の出
入野浜,田野浦
久百々
29.8 km
29.8 km
四万十大橋経由


 この日の歩数:46,685 歩 【累積歩数:878,578 歩 】 歩行距離:29.8 km【累積歩行距離:513.9 km 】

宿泊先: 久百々(くもも)
      【 TEL 08808-4-1664 】
      〒787-0244 高知県土佐清水市久百々120
      https://userweb.u-broad.jp/kumomo/

      2食付き  6,000円
      洗濯機 : 有り(無料)


人気の遍路宿なので、遍路シーズンではなかなか予約できないかもしれない.天気が良ければ目の前の海岸から太平洋に昇る朝日を拝める.




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