北岳より鳳凰三山を望む


Date/Time: 2014:09:15 08:27:02
Camera: PENTAX
Model: PENTAX K-5 II s
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2007

5/25 87番長尾寺から88番大窪寺へ

5/25 87番長尾寺から88番大窪寺へ


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大窪寺へ


朝目が覚めると窓の外はどんよりしていた.雨が降っている.ここのところずっと快晴が続いていてとても暑くて参っていたが、やはり雨となると気が重い.天気予報では今日は1日中雨らしい.


今日は88番の大窪寺まで行くことになる.普通ならここで結願ということになるが、私の場合まだ最後の別格20番大滝寺が控えている.大滝寺をどうやって攻略するかかなり悩んだが、今晩は大窪寺の側の宿に泊まり、翌朝大滝寺へ向かい、大窪寺には戻らずに、そのまま大滝寺から徳島県側の吉野川沿いの街まで行く事にした.


朝9時過ぎ、ホテルのチェックアウトを済ませ雨の中高松駅へ向かった.10:30分頃志度駅に着いたが雨足が強かったので、志度駅の待合室で雨が小やみになるのを待っていた.暫く様子を見たが小降りになる様子もないので、レインウェアに着替え雨が降りしきる中、午前11時過ぎ志度駅を後にした.


県道3号線を長尾方面へ向かって歩いて行くが、次第に雨が強くなっていく.遍路中は満足にレインウェアの手入れができなかったので、大分防水効果が弱まってしまったようだ.この雨では菅笠も効果が無く、レインウェアのフードに頼るしかない.フードを被ると視界が悪くなるので余計に神経を使う.大型車が側を通る度に水しぶきが容赦なく降りかかってくる.


県道を離れ側道を歩くとホッとした.近所のおばさんが家の前の水路のゴミを一生懸命取り除いている.ゴミを取り除かないと用水路が溢れて洪水になるのだろう.玉泉寺という小さなお寺があったので寄ってみた.雨が降っていなければちゃんとお参りしていきたかったが、略式のお参りで勘弁して貰った.


12時30分過ぎようやく87番長尾寺に到着した.団体さんが大型バスから降りて傘を差しながらぞろぞろと門をくぐり抜けて境内に入っていく.門の前でたむろしていてなかなか入っていこうとしない.中に入るのを諦めて暫く門の外で団体さんが居なくなるのを待っていた.


境内は細かな砂利が敷き詰められていたが、地面はぐちゃぐちゃで大きな水たまりが至る所にできていて歩くのが困難だった.本堂が工事中という事で仮設の本堂が設けられていた.境内は広かったがお堂の前は団体さんでごった返していたので、休憩所の庇を借りて団体さんが居なくなるまで暫く待つことにした.


お参りを済ませた後、長尾寺を後にして今日の最終目的地である大窪寺へ向かう.緩やかな上り坂が暫く続き、やがて前方に大きなダムが見えてきた.前山ダムだった.ダム湖の辺には道の駅ながおとお遍路交流サロンがあった.お遍路交流サロンで大滝寺への遍路道の情報が聞けるかもしれないと思い、とりあえず立ち寄ってみることにした.


玄関でレインウェアとザックに溜まった水を払い落とすが、ここまでびしょ濡れだともうどうしようもない.受付の女性が中に入って椅子に座って休んで下さいと言うが、椅子までびしょ濡れになってしまうので、暫く椅子に座らずに立ったままだった.受付の女性が暖かいお茶を出してくれた.お茶を飲んでようやく一息付くことができた.


机の上に置いてあったノートに住所と名前を書いてくれというので、ノートを見ると歩き遍路の人達の名前が沢山書かれていた.結願の前にここに寄った人達の名簿だった.今日の日付と住所と名前を記入した.流石に今日は少ないようだった.前の日のページをパラパラめくっていたらK2組の名前を見つけた.日付を見ると5/23日になっている.彼女たちは二日前に結願したようだ.


受付の女性に大滝寺への遍路道に関する地図や情報がありませんかと尋ねると、ノートを持って建物の奥に居た年配の男性の方へ行き、『先生、この方が大滝寺への遍路道の情報が欲しいというのですが、何か有りますか』と言ってノートをこの男性に渡した.男性はノートに書かれた私の名前を見ながら、お遍路大使任命書に私の名前を書き入れて下さった.お遍路大使バッジとともに任命書を授けて下さった.


男性は席を離れるとどこかから遍路地図をコピーした地図を持ってきてくれた.この地図には東京都のTさんという方が、H17年の10月初旬に大滝寺まで歩いた時の遍路道の状況が書き込まれていた.1年半前の情報なので、現在の状況とは異なると思うが、夏子ダム経由の遍路道はやはり通れない所が有るようだった.


ついでにお遍路交流サロンから大窪寺への道も聞いてみた.お遍路交流サロンが独自に作った詳しい地図を渡してくれた.この地図には遍路地図には紹介されていない複数のルートが載っていた.女体山経由のルートを考えていたが、この雨ではとても危険だという.岩場にある鎖場は雨で大変滑りやすく、滑落事故が多いという.コースによって距離は大分異なるが、所用時間はあまり変わらないようだ.それにこの雨では女体山からの眺望は望めそうもない.迷ったが、ここは素直に忠告に従うことにした.女体山越えのルートの倍近い距離がありそうだが、多和小学校経由の旧遍路道コースを行くことにした.


時刻は既に3時になろうとしていた.今夜泊まる予定の八十窪に少し遅くなるかもしれないと連絡をすると、お遍路交流サロンからだと3時間位掛かるという.急いでお遍路交流サロンを後にして大窪寺へ向かった.


山の中の細い車道を登って行くと、大型ダンプカーが轟音を轟かせながら山道を上っていく.ダンプカー以外は全く車が通らない.何でこんな山の中をダンプカーが走っているのかと思ったら、近くに残土廃棄場があった.廃棄場を過ぎると人も車も全く通らなくなった.雨の音だけがあたりを包んでいる.天気が良ければ讃岐平野を一望できるらしいのだが、この天気では1km先すらよく見えなかった.


やがて県道3号線と合流し、多和小学校からは国道377号線と平行して走る旧道を歩いて行った.旧道なので殆ど車も通らず緩やかな上り坂だったのでさほど苦ではなかった.


午後4時35分ようやく大窪寺の山門に到着した.思ったよりも早く着いたのでホッとした.境内には殆ど人気はなくひっそりとした境内に雨音だけが響いていた.誰も居ない本堂で静かに般若心経を唱えてから大師堂へ向かい、ゆっくり丁寧に般若心行を唱えた.最後のフレーズを唱え終わったときには少しジーンとなったが、これで八十八カ所の札所を打ち終えたという実感は無かった.それよりも早く宿に入って濡れた衣服を着替えたいという思いの方が強かった.


八十窪に着くと女将さんが出迎えてくれた.部屋に入りザックの中身を取り出して濡れた物を乾かした.ザックの内部もかなり湿っていた.デジカメを濡らさないように注意していたつもりだったが、ザックの小物ポケットに入れて


夕食時、この宿の名物となっている赤飯のおひつが食卓に上がっていた.この日の宿泊客の中には、コスタブランカで一緒になった男性お遍路さんと、高知あたりから時々見かけていた女性のお遍路さんも一緒だった.彼女は埼玉のOさんたちと良く一緒になって歩いていたらしく、Oさんから私の事を何度も聞かされていたという.ようやく本人に会えたと言って笑いながらビールを注いでくれた.


そう言えば最後にOさんと会ったのは善通寺だったので、普通のペースならOさんも今日、明日にでも結願のはずなのだが、Oさんは5/29日に高野山入りする予定で日程を組んでいるので、今頃高松辺りで日程調整をしているのかもしれない.


この日の夕食はお遍路を無事終えたという安堵感と終わってしまったという寂しさからか、暫く皆で談笑していた.



起点
 
経由地
 
終点
区間距離
累積距離
備考
JR高松駅
 
JR高徳線
 
JR志度駅
16.3 km
JR志度駅
 
 
87番 長尾寺
7.1 km
7.1 km
87番 長尾寺
 
 
前山お遍路交流サロン
5.3 km
12.4 km
前山お遍路交流サロン
多和小学校経由
88番 大窪寺
11.0 km
23.4 km
旧遍路道コース


この日の歩数:34,470 歩 【累積歩数:2,076,407 歩 】 歩行距離:23.4 km【累積歩行距離:1278.2 km 】

宿泊先: 八十窪 【 TEL 0879-56-2031 】
      〒769-2306 香川県さぬき市多和兼割103-5

      洗濯機・乾燥機: 有り (無料)




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【大窪寺へのルートマップ】


『道の駅ながお』 の斜め向かいにある『お遍路交流サロン』で大窪寺へのルートマップを戴いた.天気が良ければ女体山越えを選んでいたと思うが、女体山越えの鎖場が雨で滑って危険だと言われて、仕方なく2番の青いコース(旧へんろ道コース)を行くことにした.


『お遍路交流サロン』では、歩き遍路で結願を迎える人に『四国八十八カ所遍路交流大使任命書』と特製バッジが贈呈している.



遍路大使任命書
遍路大使任命書


大窪寺ルートマップ
大窪寺へのルートマップ

コース案内
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