チゴモズ(利尻島)


Date/Time: 2018:05:28 04:47:38
Camera: PENTAX
Model: PENTAX K-5 II s
Exporsure Time: 1/125
FNumber: 0.0
Aperture Value: 0.0
Focal Length: 500.0

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2009

GPSロガー : SONY GPS-CS3のデータ

SONY GPS-CS3のデータを覗いてみる


登山やトレッキングをする人達であれば、Garminなどのハンディタイプの専用GPSツールを持ち歩いて日々の山行の行動記録や位置確認等に有効活用している人も多いことでしょう.


Garminなどのアウトドア用のGPSツールは高機能かつ高価で、使いこなすにはそれなりの知識とPCなどのスキルが必要になります.私もGarminを欲しいのですが、日本で売られている正規のGarminはアメリカで売られている値段の2倍〜3倍はします.Garminに限らず、Adobeのソフトウェアなども日本で売られているものは法外な値段がついています.完全にぼったくりですが、いつまでこのような状況が続くのでしょうか.


別に画面が日本語である必要は全くないので、英語版の並行輸入品かアメリカのショップから直接購入すれば良いのですが、それでもまだ金額的に手が出しにくい製品です.


幸いなことに、今年の3月にSONYが小型のGPSロガーキット GPS-CS3K を発売したので、面白そうなので購入してみることにしました.キットと言ってもGPS本体のGPS-CS3 とMapple などのおまけソフトウェア、本体防水?カバーなどが入っているだけです.おまけの専用ソフトウェアの出来はSONYらしく相変わらず???ですが、サードパーティー製の各種ツールがMac用を含めて出まわっていますのでそちらを使いこなした方が良いでしょう.


GPS-CS3についての機能や使い勝手等については既に多くの人がブログ等で紹介していることと思いますので、今回はこのGPS-CS3でどのようなログが記録できるのか紹介したいと思います.


まず、GPS-CS3が吐き出すテキスト形式のログの内容をダンプして見ます.GPS-CS3は15秒間隔で測定データを吐き出すので、ログの容量は膨大なものになりますので、最初の部分と途中の極一部だけを抜き出して表示します.(最初の部分が 小田急線新松田駅前でスイッチをONにしたときのデータで、後の方のデータが富士山を登っているときのものです)
【追記:2/11 2011】SONY GPS-CS3K の内部と使われているGPSモジュール(チップセット)に関する情報を載せておきました.


SONY GPS-CS3の内部』 https://y2lab.org/trip/2011-02-11/inside_sony_gps-cs3/


SONY GPS-CS3
GPSロガー SONY GPS-CS3
iPhotoでジオタグ情報を利用する
iPhotoでジオタグ情報を利用する





このような文字データが延々と記録されているのですが、このままでは何が何だか分かりませんね.GPS-CS3のデータ形式は NMEA-0183 というデータフォーマットのようですので、まずはNMEA-0183フォーマットがどのようなものか調べて見ます.


NMEA-0813 で検索してみると沢山のサイトが表示されますが、英語のページでは Wikipedia 等を参考にすると良いでしょう.日本語の情報では、京都大学大学院情報学研究科 社会情報学専攻生物圏情報学講座 が開設しているページに “http://bg66.soc.i.kyoto-u.ac.jp/forestgps/nmea.html”(現在リンク切れ) NMEA-0183に関する詳しいフォーマット情報 があります.
 自分でデータ解析ソフトウェアを開発する場合は、NMEA(National Marine Electronics Assosiation)から有償のドキュメントを入手するのが良いでしょう.データフォーマットの情報であれば、無償のPDF版(http://www.sparkfun.com/datasheets/GPS/NMEA%20Reference%20Manual1.pdf)も用意されています.

$GPGGA,220323,3520.7136,N,13908.3765,E,1,04,02.2,00008.6,M,039.4,M,00,0000*47
 測位時刻(UTC): 220323  緯度: 3520.7136,N (北緯: 35度20.7136分)  経度: 13908.3765,E(東経: 139度08.3765分)  GPSの状態: 1 ( 0: 受信不能 1: 単独測定 2: DGPS )  捕捉衛星数:04  HDOP:02.2 (Horizontal Dilution Of Precision:水平方向の精度の劣化に関する指標)  高度: 00008.6,M (平均海水面からの高度[m] 標高に相当)  高度差:039.4,M (WGS84準拠楕円体から平均海水面との高度差[m] ジオイド高)
$GPRMC,220323,A,3520.7136,N,13908.3765,E,000.0,250.5,280809,,,A*78
 測位時刻(UTC): 220323  ステータス: A (A: 有効 V: 無効)  緯度: 3520.7136,N (北緯: 35度20.7136分)  北緯35度20分42.9秒  経度: 13908.3765,E(東経: 139度08.3765分) 東経139度08分23.226秒  対地速度:000.0(ノット)  進行方向: 250.5(度: 真北が 0度)  日付(UTC): 280809 (DDMMYY:2009年08月28日)   $GPVTG,266.8,T,,M,000.3,N,000.5,K,A*01
 進行方向: 266.8,T (真北に対する進行方向 [度] )  進行方向:   ,M(磁北に対する進行方向 [度] )  対地速度:000.3,N(0.003ノット)  対地速度:000.5,K(0.005[km/h])
 高度に関する部分が専門外の者にとっては今ひとつ分かり難いのですが、一般的な用途には平均海水面からの高度だけを注目すれば良いのではないでしょうか.新松田駅前の標高が一番最初のデータでは8.6mになっていますが、2番目のデータでは 73.8m になっています.国土地理院の地図を見る限り標高70m前後の筈なので、一番最初のデータだけおかしな数値が記録されてしまったようです.


一般的に用いられている標高は平均海水面からの高度ですが、GPSで用いられる高度情報のデータはもう少し複雑で、ジオイドという測量関係の基本的な仕組みが密接に関わっているのだそうです.ジオイドやジオイド高などの用語の意味は国土地理院のホームページ(ジオイドとは)に解説がありますので、興味のある方は一度覗いてみて下さい.GPSによって求めることのできる高度は、回転楕円体(日本ではGRS80楕円体)を基準とした高度ですので、実際の標高とは一致しません.要するにGPSにより求めることのできる高度でデータは実際の標高値にジオイド高の分だけ加算された値となります.


この高度データの実測値を見る限り、GPS-CS3の高度データは一応ジオイド高の補正がされたそれなりの標高データのようです.それなりというのはジオイド高自体は場所によって異なっており地球上でのその差は最大プラスマイナス100m程あるそうです.ちなみに東京周辺では40m前後のようです.日本のジオイド高のデータは国土地理院が測定データを公開しているそうです.国土地理院のホームページ上に緯度経度を入力するとその場所のジオイド高を表示してくれるページがあります.ちなみに日本の地図の標高データは東京湾の平均海水面を基準にしているそうです.


これらのデータを上手く組み合わせ、用途に応じてデータ加工をすれば様々な用途に活用できそうですね.そのうち自分でもプログラムを作ってみようと思います.



GPS-CS3 が写真に埋め込むジオタグ情報について


SONY の GPS-CS3 を購入するとWindows用のおまけソフトが付いてくるのですが、VAIOのおまけアプリケーションと同様、如何にもソニーといった感じの使えないソフトですね.尤も、SONYに使いやすいソフトウェア開発を期待するだけ無駄なのかもしれませんが、もう少し Appleさんを見習ってユーザに使い易いソフトウェア開発を心がけては如何でしょうか?この製品を開発したチームにはアウトドア系の人が居なかったのかもしれませんね.


GPS-CS3はPCと接続しなくても、デジカメのメモリカード(SDカードとメモリスティックに対応)をGPS-CS3に差し込むとデジカメのメモリカード上の写真データにGPSのタグ情報(ジオタグ)を付加してくれる機能が備わっています.


最近ではiPhotoのように写真のジオタグ情報を取り扱える画像アプリケーションソフトやFlickerなどのインターネットサイトなどがありますので、写真にジオタグ情報を記録しておくのは後々便利です.


GPS-CS3 が埋め込むジオタグ情報を調べてみました.使用したのはRICHO の 初代 GR DIGITAL です. JPEG形式の画像データに含まれる EXIF 情報を全てダンプしてみました.EXIFデータの中で、GPSxxxxx という部分がジオタグの情報に関する部分です.


EXIFタグのDumpツールとして、”Nihilogic Labs” の Javascript EXIF Reader を使用させていただきました.(一部改変してあります)
 残念ながらEXIFタグのダンプ情報を見る限り、GPS-CS3は高度情報をデジカメのEXIFデータに追記してはくれないようです.


高度情報自体はログデータにきちんと記録されているので、GPS-CS3ではなくPCを用いて画像データにGPSのEXIF情報を埋め込んで下さい.

吉田・須走口頂上
吉田・須走口 頂上にて


【訂正】


 一番最初に書いた記事では間違ってGPS-CS3が付加したジオタグではない情報(”GPSAltitude” など)が含まれていた写真のEXIFデータを表示してしまいました.残念ながらGPS-CS3の本体のEXIFジオタグ追記機能では “GPSAltitude” に関する情報は付加されません.
※GPSBabelなどのPC上で動くGPSデータ変換変換ソフトウェアを使えば、きちんと写真データのEXIFタグ中に “GPSAltitude” を書き込むことができます.GPS-CS3の本体のEXIFジオタグ追記機能を使うと一気に電池が消耗してしまいます.ちなみに上記写真の緯度・経度情報(北緯35度21.94分、東経138度43.97分)の場所を国土地理院の地図閲覧サービスで表示してみると、http://watchizu.gsi.go.jp/watchizu.html?b=352156&l=1384358ほぼ正確な値が記録されていることがわかりますね.


【追記】GPS-CS3を使ってみた感想


初めて購入したGPSロガーがGPS-CS3だったのですが、その後 ユピテルの ATLAS ASG-1 を購入したので、GPS-CS3がメインで活躍する機会は殆どなくなりました.ASG-1 と較べるとどうしても機能の貧弱さが目立ちます.


防水性が全くないのでアウトドア用途としては気軽に持ち歩きできません.ザックのポケットの中に防水ケースと共に入れておくのが安心です.乾電池式で単三1本で10時間程度持つのは良いのですが、GPS-CS3本体のメモリカード書き込み機能は使ってはいけません.高度情報が全く記録されないばかりではなく、あっという間に電池を消耗し尽くしてしまいます.


ログ記録の細かなON/OFFができないので、ログコントロールは電源スイッチのON/OFFで行うしか方法がありません.コールドスタート時には衛星を補足するまで数分かかる場合があるのでとても不便です.


私の場合、ATLAS ASG-1 でログのON/OFFを細かくコントロールして、GPS-CS3 の方は補助器(バックアップ)として行動中は常にONで使っています.


GPS-CS3の用途としてSONYはあくまでも一般の旅行者用のカメラの補助を想定して開発した物のようですので、アウトドア用途には向きません.


アウトドア用途であれば迷わずATLAS ASGシリーズなどのアウトドア専用品を購入した方が良いでしょう.

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