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04
2010
東海自然歩道 その8(田貫湖→佐野峠)
田貫湖 → 長者ヶ岳 → 天子ヶ岳 → 上佐野 → 佐野峠 (→内船駅)
5月の連休に入り好天にも恵まれ、前回の離脱ポイントである田貫湖の長者ヶ岳登山口へと向かったのは良いが、小田原駅で乗る予定の電車に間に合わず、田貫湖畔の休暇村行きのバスに乗ることができなかった.たまたま富士芝桜まつり会場行きの臨時バスが出ていたので、田貫湖へ一番近そうな畜産試験場北口で降りて、そこから田貫湖まで歩くことにした.通常なら20〜30分もあれば到着する筈だったが、連休の渋滞に巻き込まれ田貫湖に着いたのは12時直前になってしまった.
この日は、午前10時から歩き始めて時間にゆとりが有りそうだったら、思親山を越えて身延線の井出駅までを予定していたが、流石にこの時間から歩き始めるのではとても間に合いそうもないので、様子を見て佐野峠から身延線の内船駅まで林道を降りるエスケープルートを選ぶことにした.
田貫湖畔は連休の行楽客で賑わっており、ヘラブナ釣りの愛好家がのんびり竿を立てていた.暫く湖畔でお昼を食べながら富士山を眺めていた.長者ヶ岳の登山口には丁度山を下りてきたおじさん集団が休んでいた.これから向かう長者ヶ岳は標高も1,330mと手頃で田貫湖と富士山を眺めることのできる絶好のハイキングコースとして人気があるようで、子供連れから中高年のハイカーまで結構賑わっていた.
東海自然歩道の本コースからは逸れてしまうが、折角なので天子ヶ岳の頂上まで寄り道をしていく事にしたのだが、頂上付近の眺望はあまり良くなかったのが残念だった.気を取り直して先程通り過ぎた分岐点へ戻り、山梨県側の上佐野集落へ向けて下山を開始した.ここから田代峠までは再び山梨県を歩くことになる.
登山道の状態はあまり良くなく、ピンク色の目印のテープがないと何処が道なのか判らない部分が所々あった.先程までのファミリー向けのハイキングコースとは違って、上佐野へ向かうこの道では全く人と会うことがなかった.あまり整備されてるとは言えないが、歩いていて危険性を感じさせるような部分はあまりなかった.分岐地点から上佐野集落までは1時間30分程で着いたが、単調な下りが続き殆ど景色も楽しめないので歩いていてあまり楽しくない道だった.上佐野から田貫湖へ向かう場合は単調な登りになるので結構辛いだろう.静岡県のコースは案内標識も親切で、コースも綺麗に整備されているような気がするが、山梨県側のコースはもう少し整備が必要だと思った.
上佐野の集落に入っても人影は殆どなく、途中道で軽自動車1台とすれ違っただけだった.南部町営バスが1日3便ほど走っているようだったが、日曜・祭日は運休なのでこのバスを当てにすることは難しいだろう.田貫湖と身延線の井出駅の間は決して1日で歩けない距離ではないが、どちらも公共交通機関のアクセスがイマイチなので、首都圏や関西圏から日帰りでこの区間を歩くのは結構大変だ.朝10時前に田貫湖を出発できれば、午後6時までには井出に着けるだろう.秋から冬にかけては日没が早いので無理だろうが、春から夏にかけては十分歩けるだろう.
上佐野から佐野峠までは再び500m位山道を登らなければならない.上佐野の大きな集落の手前からお茶畑の中を通って山道に入って行く.佐野峠までの山道は結構幅が広く歩き易い道だったが、所々土砂崩れの跡が生々しく残っていた.樹木の間から夕日が差し込み、誰も居ない山道を一人のんびり歩くのも結構気持ちが良い.上佐野の集落から1時間弱ほどで佐野峠の駐車場に着いたが辺りには誰も居なかった.ここからの眺めも絶景で、長者ヶ岳、天子ヶ岳越しに夕日を浴びた富士山を望むことができる.
今日はここで打ち止めとして、コンクリート舗装された林道を内船駅へ向けて降りて行った.下山途中で迷子になった犬を車で探しに来た内船在住のおじさんに出会ったが、佐野峠まで行っても犬が見つからなかったらしく再び林道を降りてきた.おじさんが駅まで送ってくれるというので、遠慮無く車に載せて貰うことにした.曲がりくねった狭く急な林道をおじさんは猛スピードで下りて行った.四国で農家のおじさんの軽トラの荷台に載せて貰ったとき以来のスリリングなドライブだった.
内船の駅で列車を待つ間に、直ぐ近くにある公共温泉なんぶの湯に立ち寄るつもりでいたが、丁度18:07分発の富士行きの電車がやってきたので、温泉は諦めてそのまま電車に乗ってしまった.次の電車が19:27発 なので、温泉に浸かってから帰宅しても良かったかもしれない.
次回は、佐野峠から思親山を経て井出駅まで歩くことになると思うが、この区間は2〜3時間もあれば十分だろう.次の井出から大平までは約30km程あるので、やはり井出駅で区切るしか手段はなさそうだ.今朝の出遅れが悔やまれる...高尾山から始まった東海自然歩道を歩く旅の前半はある意味で富士山を追いかける旅だったような気がする.どのコースを歩いていても常に富士山が見えるかどうかが気になっていた.冬場から春先にかけて天気の良い日に歩いたこともあり、富士山をさまざまな角度から堪能することができたのだが、それにしても富士山はいつ見ても見飽きることのない不思議な山だということを実感させられた.
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