出雲大社


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06

2011

『四国遍路地図』を購入してみた

東海図版の『四国遍路地図』も結構便利


暦の上では立春も過ぎ関東地方でも少し春の気配を感じるようになったが、この春に四国に歩き遍路に出掛けようと計画している方々はネットや本などで本格的に情報を集め出す頃ではないだろうか.


歩き遍路をする場合に遍路道に関する地図は必須の持ち物だが、殆どの人はへんろみち保存協力会が編纂・発行している『四国遍路ひとり歩き同行二人』(地図編)を持参している.四国歩き遍路にとってこの地図はバイブル的な存在で、先ずはこの地図を入手することが歩き遍路の準備の第一歩といっても過言ではない.私も含めてこの地図のおかげで四国を歩き通す事ができたという人は多いのではないだろうか.それだけに先日のへんろみち保存協力会代表の宮崎建樹さんの事故死は残念でならない.


『四国遍路ひとり歩き同行二人』(地図編)があれば歩き遍路で困ることは殆どないが、歩くという行為を目的に地図が編纂されているため地図がメインの遍路道の流れに沿ってレイアウトされている.一般的な地図では当たり前である真北方向が上にはなっていないばかりか、紙面の制約からか各地図の縮尺もまちまちだ.


真北方向が上にある地図が絶対だと思っている人の中にはこの事を欠点とみなす人が居るが、限られた紙面内にルートを順に記そうとするとやむを得ない方法なのかもしれない.確かに最初は真北の方向がまちまちなのは戸惑うことが多いが、慣れてしまえばそれほど気にならなくなる.


むしろ普段地図など開くことのない人達や地図が読むことが苦手な人達にとってはこのようなレイアウト方法の方が分かり易いのかもしれない.実際に歩いているときには自分が今遍路ルート(道路)のどの辺を歩いていて、次の目的地や道の分岐点までどのくらいかということが最大の関心事だろう.


尤も最近では紙の地図は殆ど出番がなく、殆どの場合スマートフォンなどのGPSと連動した地図機能を利用するので、自分の向かう方向に合わせた地図表示の方が一般的なので、地図の向きは真北が上で無ければ駄目だなどと言っているのは、時代遅れのオジサン達ということなのだろう.


普通の地図では二次元平面的な位置関係の把握が目的だが、歩き遍路地図では遍路コースという限られたルート上での位置関係が重要な情報となる.地図のレイアウトが歩く方向に沿って右から左方向へレイアウトされているには、実は歩き遍路の理に適った適切な方法なのかもしれない.


歩き遍路にとっては必要不可欠の『四国遍路ひとり歩き同行二人』(地図編)だが、敢えて欠点を挙げるとしたら、地図が細かく分断されているため自分の現在居る場所を俯瞰して見ることが難しいということでだろうか.また、等高線の情報が殆ど省略されていて地形を推定することができないのも残念なところだ.


山間部の地道の遍路道を歩く場合はこの地図だけでは困難なので、できれば山間部の地道の遍路コースに関しては1/25000地形図上で表示して欲しいところです.別格の山の上のお寺(大山寺、慈眼寺、出石寺、仙龍寺、大滝寺)を歩いて廻る場合は、予め1/25000地形図を用意し、『四国遍路ひとり歩き同行二人』(地図編)を参考にしながら、大凡の遍路道を事前に書き込んでおくのが良いだろう.


『四国遍路ひとり歩き同行二人』(地図編)がミクロ的な視点で編纂されているとすると、今回紹介する『四国遍路地図』はどちらかというと全体を見通すためのマクロ的な視点の地図で、全体的な行程の管理やルートの選択などに重宝しそうだ.縮尺も高知市内図など一部を除いて1/50,000 で統一されており、通常の地図と同様真北が上に配置されている.


最初は地元の大きめの本屋さんでこの地図を探して見たが見つけることができなかったのでAmazonで注文した.在庫も問題無く普通便でも注文の翌日には届いた.都内大きめの本屋さんでもなかなか置いていないようなので、入手するのは送料も掛からないAmazonでの購入が便利だと思う.ちなみに値段は1巻あたり945円だった.


東海出版の『四国遍路地図』のホームページ https://www.tokaizuhan.com



【追記】メイツ出版から、『大きな地図で行く「四国遍路」八十八ヶ所巡り徹底ガイド』という遍路地図が刊行されるようだ.(2012年4月25日発売予定)


まだ実物を目にしていないので、この地図が使い物になるかどうかは分からないが、遍路地図の選択肢が増えるのは良いことだろう.


代表的な遍路地図
代表的な2つの遍路地図
折りたたんだ状態
折りたたんだ状態(右はA4の紙)




サイズ比較
サイズ比較(右側は昭文社の『山と高原地図』)

各巻の担当エリア
各巻の担当エリア

先ずは地図のサイズだが、B1サイズ(728mm×1030mm)だけあってかなり大き目だ.普段扱い慣れている昭文社の『山と高原地図』の倍近くある.折りたたんだ状態で約185×270mmなので、折りたたみ方を工夫すれば比較的扱い易いかもしれない.紙質は耐水性の高い合成紙を使っているので丈夫だが、歩きながらこの地図を見るのは現実的ではないかもしれない.


地図の内容に関しては代表的な宿の位置や休憩所、名所や旧跡なども載っていて情報量はそれなりに豊富だ.遍路道に関しては『四国遍路ひとり歩き同行二人』の地図に載っている道が載っていなかったりするが、逆にこの地図にしか載っていない道が結構あるので両方を見較べてみるのが良いだろう.


『四国遍路ひとり歩き同行二人』には殆ど記載されていない『四国のみち』が豊富に載っているのも『四国遍路地図』の特徴だろう.『四国のみち』にも結構穴場的(山歩き好きに好まれそうな)な道が多いので、私のような国道や舗装道路が大嫌いなタイプの人には重宝しそうだ.また、等高線の情報や美しい陰影処理が施されているので地形の特徴を把握し易いので、山間部を歩くにはこちらの地図の方が便利だろう.


お遍路さんの中には昔ながらの遍路道に頑なに拘っている人がいるようだが、自分の好みにあった道を選べば良いのではないだろうか.昔ながらの遍路道は歩いていてもとても心地良くいつまでも残っていて欲しいと思うが、中には廃れてしまって歩くことが困難な道や危険な道もあるようだ.いつの間にか廃れてしまって現地の人からも忘れられてしまった昔の遍路道を探して歩いてみるのも面白そうだ.


遍路道の多くは『四国のみち』と重なっている部分が多いが、『四国のみち』は環境省や県が整備している官公庁ベースのお役所的な発想によるもので、『四国遍路ひとり歩き同行二人』での遍路道とは異なるコースも沢山含まれている.目立つところに立派な石柱の標識や案内看板が立っているので、お遍路さんはこの標識に惑わされて気付かないうちに遍路道ではない『四国のみち』へ入り込んでしまうことも多く、歩きお遍路さんには『四国のみち』は評判が悪いようだ.


最初から『四国のみち』というものの存在を知っていれば問題はないのだが、多くの人は現地を歩き始めてからその存在を知ることになるのでどうしても混乱を招いてしまうようだ.


最終的にどの道を選ぶかは現地で遍路道に関する情報を仕入れて自分で判断するしかないが、地元の人に道を尋ねても遍路道の存在そのものを知らないことが多い.四国では何処に行くにも車なので地元の人は車道しか知ないことが多いので、地元の人は殆ど当てにならない.


判断に迷ったら自分の直感を信じて見るのが一番だ.遍路地図に載っている道だけが遍路道ではない.地獄のような国道も快適な地道もお遍路さんが歩けばそこが遍路道ということで良いのでは...


現在はネット上で大抵の情報は得られるが、あまりにも事前に情報を仕入れ過ぎてしまうと全てが予定通りのつまらないものになってしまう.運を天に任せた行き当たりばったりのお遍路道中も楽しいですよ.(^_^)b


既に歩き遍路を経験されていて『四国遍路ひとり歩き同行二人』の地図を持っている方には、これまでとは違う道を歩いて見たいという用途にはとてもお薦めの地図だ.初めての方にとっても遍路計画の立案に便利なので持っていれば重宝するだろう.


尚、遍路道には参考区間タイムも載っているがあまり当てにしない方が良いだろう.人によって歩く速さはまちまちで、遅い人と早い人では2〜3倍も違うことがあるので、初心者の方は前もって自分の歩くペースを掴んでおいた上で、このタイムを参考にするのが良いだろう.


私的には遍路道周辺の情報だけではなく、山岳地帯の状況や登山道の有無、代替ルートの検討などの用途に使える広い範囲の情報を載せて欲しいところだ.できれば『四国遍札名所図絵』などの情報は別冊にして貰えると嬉しいのだが...


歴史好きの人にとっては地図にその土地の歴史や所縁の人物に関する注釈などが載っているのでとても楽しい地図だと思う.昔の野根山街道(奈半利〜東洋町野根:土佐から都への主要街道で、紀貫之や江戸時代の参勤交代もこの街道を通ったと言われている)なども載っているなど、歩き好きには絶好の地図かもしれない.


最後にこの地図を購入しようと迷っている人のために、ちょっとだけ著作権違反を許して貰って、2つの地図の中身のほんの一部を紹介しておく.(写真をクリックすると少し大きめの画像で表示される)


地図のサンプル
『四国遍路地図』のサンプル
同行二人のサンプル
『四国遍路ひとり歩き同行二人』のサンプル




この『四国遍路地図』のサンプルに載っている山河内駅から牟岐へ抜ける『四国のみち(潮風そよぐみち)』を歩いた時の様子はこちら.


『4/19 日和佐から海部へ』


徳島県美波町の『四国のみち』観光案内ページ https://www.town.minami.lg.jp/docs/403.html



『四国のみち』について


四国のみちは環境庁が音頭を取り、各都府県が事業主体となって整備を進めている長距離自然歩道整備計画の一部で、東海自然歩道や関東ふれあいのみちなどと同じ趣旨の長距離自然歩道だ.


全国の長距離自然歩道については、『自然大好きクラブ<NATS>』のホームページに概要が載っている.



四国のみちのホームページについては、現時点で香川県と高知県、愛媛県のページが整備されているようだ.徳島県に関しては現在PDF化を進めていてホームページで公開する予定のようだ.


 ・四国のみちについて

 ・高知県 林業振興・環境部環境保全課 - 四国のみち

 ・えひめ自然環境情報|四国のみち(四国自然歩道)

 ・徳島県の四国自然歩道(四国のみち)に関する Q&A のページ   https://www.pref.tokushima.lg.jp/system/searches?id=1011100&part_id=7091168&grant_table=&search_word=四国のみち&search_sort_type=1&mode=title&frame=7046822&crawling=0&breadcrumb_mask=徳島県

 ・国土交通省四国地方整備局地域道路課 『四国のみち』

徳島県のパンフレット


徳島県が配布している『四国のみち』パンフレットを入手してみました.四国のみちの全体地図と徳島県の各コース(全24コース)のパンフレットがある.全体地図には環境省ルートと国土交通省ルートの両方が記載されている.各コースのパンフレットは(A3サイズで折りたたんだ状態でほぼ葉書サイズ)コースを記した1/25000地形図と名所や旧跡などの案内が載っている..



四国のみち 全体図
四国のみち 全体図(地図) B2版(728x515mm)
コースパンフレット(地図) コース図(1/25000地形図)
パンフレット(案内)
名所・旧跡案内

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