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2011
富士山 須走口 2011
須走口から一泊二日の頂上往復
須走口からの登山は二年前にも行っているが、この時は日中の日帰り登山で天気もあまり良くなく景色を堪能することができなかった.今回は低山ハイク経験1〜2回の登山初心者のガイド役として須走口を一泊二日の山小屋泊まりの超スローペースで登ることにした.
一般の観光登山客が富士山の頂上を目指すことが出来る期間は7,8月の2ヶ月間と言われているが、最近は9月に入っても営業している山小屋が多くなってきたので、事前に山小屋の営業状況を下調べをしておけば9月でも問題無く登頂可能である.ただ注意して置くべき点としては、9月に入ると山頂の公衆トイレや山小屋が利用できなくなってしまうので、これらの施設の閉鎖日をしっかりと把握しておく必要がある.
2011年度の頂上の公衆トイレは9/4で閉鎖されており、9/11の時点でトイレが使えるのは本八合目のトモエ館、胸突江戸屋が最後だった.この二軒の山小屋が閉鎖されてしまうと登山経験の少ない一般の人達が頂上を目指すのはかなり困難になるだろう.富士宮口と御殿場口に関しては9月まで営業している山小屋はないので、一般の観光登山客が登る事ができるのは吉田口(河口湖口)か須走口のどちらかになるだろう.
9月の富士山は気違いじみた混雑に巻き込まれることもなく、8月よりは空気が澄んでいるので天候の良い日を選ぶことができれば最高のコンディションで登ることができるだろう.地球温暖化の影響か7月1日の山開きには登山道が雪に埋まっていることが多くなり実質的な山開きがどんどん後ろにずれ込んでいるという.
最近では吉田口の山小屋の大部分が9月中旬まで営業期間を延ばすようになり、富士登山の最適期間が7月中旬〜9月中旬に移っていると言っても良いだろう.この日は早朝から富士山の頂上付近は巨大な笠雲で覆われてしまっていて、天候の悪化が懸念されていたが午後からは頂上の笠雲もなくなり天候が好転した.気温も平年よりもかなり高めで絶好のコンディションだった.
2年前に須走口を下山したときには砂走り区間が終わるとそのまま砂払五合の吉野屋まで下山道が設けられていたが、今回は途中で新六合目の長田山荘の側を通る下山道に付け替えられていた.従来の砂払五合の吉野屋まで下って行くルートにもガイドロープが整備されていたので、吉野屋が閉鎖された後の臨時措置として新六合目の長田山荘の脇を経由するルートに切り替えたのかもしれない.
この新しいルートは迂回させられる分距離的には長くなってしまうが、樹林帯の中の足場の悪い木の根道を避ける事ができるので疲労困憊状態の下山者にとっては歓迎すべき事だろう.
吉野屋の下方350mくらいの所に古御嶽神社まで下りて行く木の根道下山道と須走口の五合目駐車場へ向かうブルドーザー専用道路の分岐があるので、日没時や疲労困憊時にはブルドーザー専用道路を下って行った方が安全だろう.
データが少し古いが、須走口の下山道に関しては『駿河の国とその周辺』の下山道の写真地図が分かり易いだろう.
今回は初心者を伴っての富士登山であったが、改めて初心者と登山経験者の違いを実感させられた.登山経験者であれば体力を温存させながら自分に合った歩行ペースを維持することは簡単だが、初心者にとっては適切なペースを維持しながら長丁場の登山を続けるのは無理なのだろう.
初心者は山小屋での休憩や仮眠中に高山病を患ってしまう例が多いという事を聞いていたが、今回連れの一人が山小屋で仮眠中に高山病になってしまった.山小屋に着くまでは5合目で十分時間を掛けて高度順応したり登るペースを極力抑えていたので高山病の兆候は全く見られなかったが、仮眠中に呼吸が浅くなり酸素不足に陥ってしまったようだ.
高山病になるかどうかは個人差が大きいので確証的な事は言えないが、山小屋泊まりの富士登山は高山病に関しては必ずしも最良の選択ではないようだ.
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前回須走口を登ったときには大陽館にはゴルゴ13などのキャラクターを描いたユニークな看板が目を引いていたが、残念ながら今年はゴルゴにお目にかかることができなかった.(著作権の問題があるので看板を外したのだろう)
大陽館の面白キャラクターたち(2009年8月当時)