美国黄金岬  積丹半島


Date/Time: 2017:09:25 16:46:00
Camera: PENTAX
Model: PENTAX K-5 II s
Exporsure Time: 1/320
FNumber: 6.3
Aperture Value: 5.3
Focal Length: 21.0

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y2trip » スカイビュースケープ『山っぷ』(山岳立体地図画像)

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04

2012

スカイビュースケープ『山っぷ』(山岳立体地図画像)

山岳レリーフマップ『山っぷ』


西丹沢自然教室周辺の地図
西丹沢自然教室周辺 (『山っぷ』533910 中川より一部抜粋 ©Digital Earth Technology Corp.)


『山っぷ』はアジア航測株式会社が開発した技術を用いてデジタル・アース・テクノロジ社(2011年6月30日で会社は精算されている)が販売していた山岳地域の地形を独自の彩色処理によって立体的に見せるラスターイメージタイプの地図で、国土地理院発行の1/25,000地形図と10mDEM数値標高モデルデータを基に作成されている.


この地図の特徴は何と言っても地形の起伏感が一目で把握できることで、地形図の等高線データだけでは判読しにくい尾根や谷の判読が容易だ.以前はカシミール3Dのオンラインサービスでこの『山っぷ』地図データを見ることができたが、会社の精算により現在はこのサービスは廃止されている.


一般の登山道しか歩かない人達にとっては昭文社の『山と高原地図』の1/50,000 地図で事足りるかもしれないが、一般登山道以外の場所を歩かなくてはならない沢歩きやバリエーションルートを歩くような人達にとってはこの『山っぷ』はありがたい地図だろう.


難点はちょっと値段が高い(1地図あたり525円)こととJPEG形式のラスターイメージデータなのでデータサイズが大きい事だろうか.また、基になっている地形図データが地図によってはちょっと古目の(1991年〜)データが含まれていることが気になる.国土地理院発行の1/25,000地形図は全国を網羅しているが、この『山っぷ』は日本の代表的な山岳地域のみの販売だ.



2009年の11月に檜洞丸から石棚山稜経由で箒沢公園橋へ下山していた年配の女性が板小屋沢ノ頭で登山道を外れてそのまま尾根伝いに直進してしまい、その先の崖で滑落して死亡するという痛ましい事故が起きてしまった.


板小屋沢ノ頭
板小屋沢ノ頭の迷い易い分岐箇所 (現在は誤進入防止のロープが張られている)

板小屋沢ノ頭の地形を『山っぷ』で確認すると、地図の上からもこの場所が道迷いを誘発させ易い要注意箇所であることが読み取れるだろう.何も考えずにこの尾根沿いの道を歩いているとそのまま尾根沿いに直進してしまう可能性が高い.


『山と高原地図』の1/50,000では判らないような細かな地形情報が得られるので、このような登山地図が広く一般に普及して欲しいものだ.昭文社も『山と高原地図』を1/25,000の縮尺で出すべきだろう.地図の枚数が4倍に増えてしまうというデメリットがあるが、それでも1/25,000の地形図でしか得られない詳細な地形データを必要としている人は多いはずだ.



『山っぷ』は日本地図センターのショッピングページからダウンロード購入することができる.地図を製作したデジタル・アース・テクノロジ社は昨年解散しているので、『山っぷ』が現在どういう扱いになっているのか良く分からないが、そのうち買えなくなってしまうかもしれまない.


販売されているエリアについては https://net.jmc.or.jp/mapdata/map/sangaku.html を参照して欲しい.


【捕捉】『山っぷ』に関しては販売元がデジタル・アース・テクノロジ社からアジア航測株式会社に引き継がれており、これまでと同じように購入可能とのことだ.



『山っぷ』の1図葉の区域は国土地理院の1/25,000地形図の範囲と同じだ.1図葉のファイルサイズは約10〜12MBで、画素数は 8,150(W) X 5,433(H) となっている.上記の『山っぷ』533910の緯度・経度の範囲は、
533910(東京 中川) Top, Left: 35.5000000, 139.0000000 – Bottom, Right: 35.4166667, 139.1250000
となっている.


残念ながら上記の緯度・経度の範囲は日本測地系で記述されているので、現在の世界測地系の値ではないのでGPSなどの値と組み合わせる場合には注意が必要だ.地図を購入するとワールドファイルと呼ばれるラスタイメージデータ(ピクセル)と座標とを結びつけるテキスト形式のデータファイルが含まれているので.GISソフトウェアなどでこの『山っぷ』データを参照する場合はGISソフトウェアが用いている測地系に合わせた変換を行わせる必要がある.



533910(東京 中川)のワールドファイルの中身(日本測地系) ”533910.jgw”

 0.0000153372385148345096
 0.0
 0.0
 -0.0000153372385148345096
 139.00
 35.50

533910(東京 中川)のワールドファイルの中身(世界測地系) ”533910.jgw”

 0.0000153372385148345096
 0.0
 0.0
 -0.0000153372385148345096
 138.99685255879729
 35.503234243984480

ワールドファイルデータの5,6行目が画像の左上ピクセルの座標値(経度、緯度)となっている.ちなみに最初の行にある 0.0000153372385148345096 という数値はX方向の解像度(1ピクセル当たりの度数:dot per degree)で、4行目がY方向の解像度だ.2,3行目はそれぞれX,Y方向の回転角度だ.


世界測地系での533910(東京 中川)の図葉の緯度・経度の範囲は
 左上: 138.99685255879729, 35.503234243984480
 右下: 138.99685255879729 + 0.0000153372385148345096 * 8150 = 139.121851051,
     35.503234243984480 + (-0.0000153372385148345096 * 5433) = 35.41990700

ということになる.


世界測地系と日本測地系とでは東京付近で北西方向に約450m程ずれが生じるので、地図の緯度経度の値がどの測地系を用いているのかと言うことは非常に重要だ.山の中で450mもずれてしまうと重大な事故にもつながりかねない.


『山っぷ』のライセンスは利用の形態によって数種類有るようで、個人用のライセンスで購入した場合、個人のホームページ(非営利)等に載せることができるようだ.個人用のライセンスの使用許諾の範囲(一部抜粋)
 ・お客様個人のPC 等の電子機器に搭載し、閲覧、加工、出力して使用できます。
 ・お客様個人が執筆する論文、無償配布著作物等へ画像データの一部を転載することができます。
 ・お客様個人が運用するブログ・HP 等のインターネットサイトへ画像データの一部を転載することができます。

電子国土の背景地図を利用するには面倒な手続きが必要だが、『山っぷ』の方が制限が緩そうなのでとりあえず自作のiPhoneGPSナビに『山っぷ』地図を組み込んで使えるようにしようと思う.市販のiPhoneGPSナビにも、『DIY GPS』のようなアプリがあるので、『山っぷ』地図を使ったGPSナビを使うことができるだろう.『山と高原地図』のiPhoneアプリはあまり役に立ないが、『DIY GPS』+『山っぷ』の組み合わせは強力だろう.


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