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22
2012
Garmin eTrex30
Garmin eTrex30 到着
8/13(月)に英国のWiggleから購入したGarmin eTrex30 がようやく到着した.金曜日には成田に到着していたが税関が土日に処理してくれなかったようで、結局一週間以上掛かってしまった.
ちなみにWiggleでの購入価格は日本円で 23,727円、トラッキングオプションを付けたので送料が +1,600円 だった.Wiggleからの発送は Parcelforce Worldwide(イギリス版ゆうパックと言ったところか)で、日本の税関では関税はかからなかった(GPSはFree)が消費税分(+地方消費税)600円、郵便の通関手数料200円の合計800円を郵便局に払った.
Wiggleからは送料無料で送ることができるが、荷物のトラッキングを行いたかったのでオプションでトラッキングサービスを付けた.トラッキング番号をParcelforce Worldwideのホームページか、日本郵便の国際EMSのトラッキングページに入力すると荷物の状況を追いかけることができる.日本到着後は国際EMSのトラッキングページで追跡すると詳細な状況が得られるだろう.
Parcelforce Worldwideのトラッキング情報
思っていたより厚みがあり、ずっしりとしていた
背面のカバーを外して電池(単三2本)とmicroSDカードを入れる
緑はGPS、濃青色はGLONASS
USB接続はマスストレージクラスとGarmin USBに切り替えて使用可能
記録されるトラックデータはGPX形式で次の様な内容となっている.緯度・経度、高度、時刻の最も基本的な項目しか記録されていない.高度データに関してはジオイド補正された値なのか楕円体軌道からの値かはハッキリしないが、恐らくジオイド補正された標高であろう.
eTrex30に関してはGPSロガーとして使おうとすると、トラック記録開始・記録終了までの操作手続きや記録されたログデータそのものの内容に不満が残る.トラックデータの位置精度に関してはeTrex30の方が圧倒的に良さそうだが、GPSロガーとしての使い心地はやはりATLAS ASG-1のようなGPSロガー専用機の方が簡単で便利だと思う.
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日本版以外の新eTrexシリーズでも『みちびき』衛星を受信できるようになったのか?
準天頂衛星『みちびき』の信号を受信できるのは、日本版のeTrex J シリーズのみということになっていたが、TKA Planet のページには、英語版のeTrexシリーズで『みちびき』の信号を受信しているときのスクリーンの写真が紹介されている.
この写真では確かに #255の衛星から信号を受信している様子が写っている.Garminのファームウェアは未知の衛星信号を受信したときに、最後尾の番号(#255)から降順に割り当てて行くということらしい.この#255の衛星は『みちびき』であることは間違いないようだが、『みちびき』の信号がきちんと処理されて精度が著しく向上しているのかどうかは不明である.
ちなみに、『みちびき』がほぼ日本の真上に来る頃を見計らって視界の開けている場所で、信号を受信している衛星の位置を表示してみたが、残念ながら私のeTrex30では『みちびき』の信号は受信できなかった.(→後日再度試したらきちんとみちびきの信号を受信していたので、このときはみちびきの信号が姿勢メンテナンスなどのため止まっていたのかもしれない)
このときの『みちびき』の位置はほぼ真上なのだが...
『みちびき』の信号は受信できていない
最新版のファームウェア V2.80 なのだが...
【追記 9/1】みちびきの信号を受信
先日はみちびきの信号を受信することができなかったが、後日再度試してみたら #255 の衛星が Satellite Map 上に表示されていた.とりあえずみちびきの信号は受信できているようだ.
Garminのファームウェアがどこまでみちびきの信号に対応できているのかは不明だが、みちびきの信号を捕捉出来たことで位置精度が劇的に改善することは当面無いだろう.
【補足】みちびきのGPS信号
みちびきが送信しているGPS信号には大きく分けて次の二種類がある.
測位補完信号:(L1C/A 信号、L1C 信号、L2C 信号、L5 信号)
測位補強信号:(L1-SAIF 信号、LEX 信号)
測位補完信号(あるいは単に「補完信号」と呼んでいる)は、これまでのGPS信号とほぼ同じ機能の信号で、GPSデバイス側のファームウェアの簡単な改修で受信可能になるという.みちびきのもう一つの信号は測位補強信号(「補強信号」)と呼ばれているのもので、測定精度を向上させるためのみちびき独自の新しい信号だという.
L1-SAIF 信号はL1C/A 信号、L1C 信号と同じ中心周波数 (L1: 1575.42MHz)、変調方式が使われているので既存のGPS受信機で受信する事が可能だが、信号の中身が異なるのでL1-SAIF 信号を処理するにはGPSデバイス側のファームウェアを大幅に改修する必要がある.
世間一般で言われている位置精度1m以内とか言われているのは、この「補強信号」を受信して、特殊な補正処理を行った場合に得られる精度だという.Garminがどのようなみちびきの信号処理を行っているのかは不明だが、現時点では日本版のGarmin GPSに於いても、「補完信号」を単純に受信しているだけである.乱暴な言い方をするとみちびきの信号を受信したところで天頂付近に捕捉できるGPS衛星が一つ増えただけの事だと言って良いだろう.
尤も、天頂付近に存在する(確率が高い)みちびきの信号は、ビル街や谷筋などでも受信できる可能性が増すので位置の算出に有利であることに違いはないが、普通にGPS衛星を捕捉できるような状況では効果は薄いと言えるだろう.
現状では民生用のGPSデバイス(カーナビやGPSナビ、データロガーなど)でみちびき受信対応と宣伝している物は、ファームウェアの一部を調整してほぼGPS互換の信号であるみちびきの補完信号を認識できるようにしただけと考えて良いだろう.
いいよねっとが出している日本語版のeTrex30Jのパンフレットには、みちびきの「補完信号」を受信する機能があることを宣伝文句にしている.「補強信号」には対応していないことが小さく明記されてはいるが、一般の人にはこの「補強信号」が一体何を意味するのか分からないだろう.
何となくみちびきの信号を受信する機能が備わっているという謳い文句だけで、他のGPSデバイスより高精度な測位ができるような印象を持ってしまうが、メーカー側や販売店はこの辺の事情をもっと明確にユーザに説明する必要があるだろう.少なくても現時点でみちびきの効用を高らかに宣伝するのは誇大広告である.
現時点では一日の内8時間程度しか受信する事の出来ないみちびきの補完信号を当てにして、みちびき補完信号対応のGPS受信機を購入するのは殆ど意味が無い.ましてやこの程度の機能のために英語版の2倍以上もするGarminの日本仕様機を購入するのはあまりにも馬鹿げている.
みちびきに関する正確な情報はJAXAのみちびきのホームページに様々な情報や仕様書が載せられているのでそれを参照するのが一番だが、内容があまりにも専門的すぎて普通の技術者には理解不能だろう.
みちびき(#255の衛星)を確認
GPS, GLONASS, QZSS(みちびき)を捕捉
PRN(Pseudo Random Number): 衛星の信号にはPRN番号と呼ばれる衛星を識別可能なID番号が含まれており、GPS, GLONASS, みちびきの個々の衛星毎に別なIDが割り当てられている.
WAAS #34, 35, 47, 48, 51
EGNOS #33, 37, 39, 44
MSAS #42, 50
QZSS(みちびき1号機) #193 補完信号
#183 補強信号(L1-SAIF)
【補足】
Garmin eTrex30(英語版)を日本国内で購入するのであれば、いいよねっとが発売している正規輸入の英語版の購入をお勧めする.日本語版とは異なり非常に良心的?な値段(USの定価+α程度:7/24 2013時点で 26,250円)だ.国内の並行輸入ショップで買うより安く、しかも一年間の製品補償付きで、日本語の操作マニュアルも付いている.