6
22
2014
大峯奥駈道(玉置山→治経ノ宿)
玉置山→治経ノ宿 [ 2日目: 5/4 2014 ]
今日も重い荷物を担いで厳しいアップダウンのある道を長時間歩かなければならない.なるべく早い時間に出発したい所だったが、二日連続の寝不足のため出発が遅くなってしまった.昨日から本宮方面へ向かう逆峯の人達とはすれ違うことがあっても、吉野方面へ向かう人とは誰一人遭わない.いつもならもう少し軽やかな足取りで歩けるはずだが、今日は明らかにバテ気味で体が重く、思うように足が進まない.
今日は治経ノ宿まで行く予定にしてはいるが、この超スローペースで治経ノ宿まで行けるかどうか不安になるが、その手前までに新宮山彦グループが維持管理している避難小屋が二箇所(行仙宿、平治宿)ほどあるので、時間が無ければ手前の避難小屋に泊まれば良いので大部気が楽だ.相変わらず視界が効かない人工植林地帯が多いが、靡や様々な名前の付いた場所が次々に現れるので退屈はしない.連休中で天気も良いので、二十一世紀の森から日帰りハイキングに訪れた人達と何組かすれ違った.
地蔵岳の頂上付近は急峻な岩場コースが多く、鎖場が続くが特に難しい箇所は無いので鎖を上手く使って上り下りすれば問題はない.今日のコースのハイライトは標高1352.7mの笠捨山で、ここからの眺望は南奥駆道で一番のビューポイントかもしれない.
佐田辻という所に新宮山彦グループが維持管理している行仙宿小屋という立派な避難小屋があり、連休に合わせてグループのメンバーが数人泊まりがけで避難小屋の利用者をサポートしてくれていた.小屋の中で休憩させて貰い、少し水を分けていただいた.
まだ時間が早かったせいか小屋の宿泊予定者はまだ誰も来ていないようだった.新宮山彦グループの人達に治経ノ宿まではまだ大部先なので、今夜はここに泊まった方が良いと薦められるが、明日の天気は雨という予報もありできるだけ先に進んでおきたかったので、時間的に厳しいが当初の予定通り治経ノ宿まで行くことにした.
行仙岳の頂上は無線の中継局の巨大なアンテナが建てられていて風情もへったくれもないのが残念だった.倶利伽羅岳から転法輪岳までアップダウンが続き思ったように足が先に進まないが、今晩行仙宿に泊まる予定の人達と次々にすれ違った.この分だと今夜の行仙宿はさぞかし賑やかな事だろう.
転法輪の嶽と申所にて、釈迦の説法の座の石と申所を拝みて
こここそは法説かれける所よと聞 悟りをも得つる今日哉 [山家集 雑1119]
平治ノ宿では今晩泊まる予定の人達が二人ほど居たが、囲炉裏のたき火の煙が小屋の中に充満して燻製になりそうだったので、休む間もなく外に逃げ出した.小屋の前には西行の歌碑が建てられていた.
平地と申宿にて月を見けるに、梢の露の袂にかかりければ
梢なる月もあはれを思うべし 光に具して露のこぼるる [山家集 雑1110]
治経小屋では吉野から本宮へ向かうという人達が5〜6名程泊まっていた.4月に吉野山を訪れたときに青根ヶ峰で偶然出会った新宮山彦グループのメンバーのYさんが治経小屋の管理をしてくれていた.囲炉裏を囲みながら居合わせた人達と楽しい一時を過ごすことができた.
Zoom Level: Bearing(Heading): Pitch: Grid Interval: