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2014
大峯奥駆道(熊野本宮→玉置山)
熊野本宮→玉置山 [ 1日目: 5/3 2014 ]
朝7時前、川湯温泉のキャンプ場を後にして本宮へ向かう.奥駆道の本来のコースは大斎原から熊野川を渡って(禊ぎを受ける)七越峰へ向かう尾根道に入るらしいが、流石に熊野川の本流を渡渉する訳も行かないので備崎橋から七越峰へ向かう.尾根道への取り付き場所が良く分からなかったので、とりあえず車道を歩く事にした.七越峰は西行の歌で名前だけは知っていたが、峰の頂上からの展望は殆ど無く西行の歌碑が建っているだけでちょっと期待外れだった.
熊野へまゐりけるに、七越の岑の月を見てよみける
立昇る月のあたりに雲消えて 光重ぬる七越の岑 [山家集 雑1403]
七越峰の先に公園が有り、芝生や水洗トイレも有りテントを張るには良さそうな場所だったが、公園でのキャンプは禁止されているようだ.この公園から先は玉置神社までコース上には一切水場がないので、この区間を歩く際は水の確保がかなり重大な問題だ.
公園の先にある本宮方面を見渡せる見通しの良い場所でのんびり休憩を取った.コースの大部分は杉の人工植林地帯で、殆ど見通しも効かないので歩いていても楽しくはないが、途中の靡と呼ばれる場所では修行者達が残した木札が沢山残されており、ここが修行の道である事が実感できる.
コースの途中にシャクナゲが群生している箇所が幾つか有り、丁度花が満開の時期を迎えていて目を楽しませてくれた.突然目の前にコガラが現れ、興味津々で私に近づいて来た.とっさの事だったのでカメラを準備することができず、手に持っていたGR4で撮影してみたものの、やはり28mm相当の広角レンズでは上手く撮影できなかった.
玉置辻と呼ばれる場所で車道と合流したので、玉置神社はほんの少し先にあるものだと思っていたら、神社まではそこから30分も歩かなければならなかった.玉置神社の境内は広くはなかったが歴史を感じさせる荘厳な造りで、世界遺産にも登録されている立派な神社だった.境内に設けられている休憩所で暫く休み、水を5リットル程給水する.玉置山の頂上でテントを張るつもりだったが、とりあえずその先にある玉置山展望台まで行ってみることにした.
本来なら玉置山の頂上からかつえ坂を下って行くのが奥崖道のコースなのだが、間違えて勧業山記念碑方向へ下りてしまった.途中で引き返すのも面倒なのでそのまま巻き道を使って展望台まで行くことにした.展望台の手前に大きな世界遺産の記念碑が置かれていて、天気が良ければそこから熊野灘方面が見渡せるというのだが、空気が霞んでいて熊野灘は見えなかった.
展望台の敷地は結構広く、トイレや四阿もあるのでテントを張るには好都合だったが、辺り一帯玉石が敷き詰められているので厚手のマットが無いとこの上にテントを張るのはちょっと辛いだろう.展望台は誰も居ないので静かな夜を過ごせると思っていたら、これが大誤算だった.連休中ということもあり、夜景を見に車でやってきたアベックが一晩中エンジンを噴かせたまま居座られて、殆ど眠れない一夜を過ごす羽目になってしまった.昨夜の川湯温泉のキャンプ場にひき続いて、ここでもとんだ災難に見舞われてしまった.やはり玉置山の頂上でテントを張っておくべきだった.
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