須山口より富士山を望む


Date/Time: 2014:11:23 09:18:38
Camera: PENTAX
Model: PENTAX K-5 II s
Exporsure Time: 1/1000
FNumber: 5.6
Aperture Value: 5.0
Focal Length: 21.0

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y2trip » 5/15 60番横峰寺から伊予西条へ

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15

2007

5/15 60番横峰寺から伊予西条へ

5/15 60番横峰寺から伊予西条へ


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朝8時過ぎ、宿を出て国道11号線を伊予小松方面へ向かう.途中で右折して県道147号線を横峰寺へ向かった.松山自動車道の高架をくぐり抜け、川に沿って山の中へ分け入る.先程から私の後を白い犬が付いてくる.お遍路さんの後に付いていけば何か餌でも貰えると思っているのか、物欲しそうな素振りで尻尾を振りながら私の廻りを行ったり来たりしている.一向に離れる気配がないので、無視して歩いていたらいつの間にか犬は居なくなっていた.


登って行くに従ってだんだん勾配がきつくなってきた.登っている途中にロッジ風の喫茶店が一軒ポツンと建っていたので一休みしていこうと思ったが、残念ながらこの日は定休日だった.この場所を通るのは歩きのお遍路さんぐらいしか居ないのに営業が成り立つのだろうか.


湯浪という集落を過ぎると勾配は更にきつくなった.路盤崩壊で通れなくなった道路の補修工事が行われていた.大型重機の横を怖々としながら通り抜けて行った.やがて車道が行き止まりになり、その先にトイレと休憩所があった.ここから横峰寺までは登山道を登って行くようだ.暫く休憩した後、横峰寺への登山道に取り付いた.


横峰寺への登山道は標高差445mを僅か1.6kmの距離で登っていく相当な急勾配である.登山道の所々で大きな沢崩れのため道が塞がっていた.迂回路が設けられてはいたが、大きな倒木がそのまま放置されていた.この道は古くからの遍路道のようで、登山道の廻りには丁石の地蔵さんが置かれている.途中何度か立ち止まって呼吸を整えるが、汗が止めどもなくぼたぼたしたたり落ちてくる.


40分近く掛かってようやく横峰寺の山門に到着した.これまでのお遍路で幾つか山越えの遍路道を歩いてきたが、この横峰寺の登山道が一番きつかったような気がする.


お寺の境内に着いたときには全身汗だくでズボンまでびっしょり濡れてしまったので、境内の端のベンチで1時間ぐらいお日様に当たってズボンとザックを乾かしていた.着替えをしてから本堂と大師堂へ向かったが、狭い境内は結構人でごった返していた.このお寺も昔は皆歩いて登ってきたのだろうが、今は境内のすぐ近くまで車で登って来ることができるようだ.


横峰寺からそのまま石鎚山へ登ってみたかったが、大部疲労が蓄積しているので今回は無理をせずに、翌日一日掛けて石鎚山に登ることにした.


次の香園寺へ向けて山を下りて行く.最初のうちは舗装された車道を歩かされるが、途中から尾根伝いの山道に入る.暫くなだらかな歩きやすい下りが続いた後で、九十九折りの急な斜面に出た.斜面というよりは崖に近かった.斜面をずり落ちるように下っていくと最近作られたばかりの砂防ダムのような施設が作られていた.


山道を下りた先に白滝奥之院という滝行を行う場所があったので立ち寄ってみた.滝の横に置かれたブロンズ製の仏像の頭が何故か月光仮面のように白い布で覆われていた.松山自動車道の高架をくぐり抜け、大谷池沿いを歩いていると、草むらで何かを採っているご夫婦が居た.辺りを見廻すと一面に野いちごが実を付けていた.2〜3粒採って口に入れてみたが、まだ熟し切っていないのか甘みはほとんど無かったがとても懐かしい味がした.


香園寺の境内ではちょうどK2組がお参りを終えて香園寺を出て行く所だった.香園寺の本堂が鉄筋コンクリートの巨大な建物だということは聞いていたが、実際目の当たりにしてみると、このお寺の異様さに唖然としてしまった.まるでどこかの体育館か公会堂のようだった.ここが新興宗教の施設ならさして驚きはしないが、四国八十八カ所の歴史のあるお寺なのだからそれなりの配慮はして欲しかった.


どこで参拝すれば良いのか分からないので、とりあえず正面にあるお賽銭箱の前に行ってお参りした.お参りを終え境内のベンチで休んでいたら建物の横の階段からお参りの人が降りてきたので、私も階段を上がってみた.どうやらここから建物の中に入れるようだ.


靴を脱ぎ中に入るとまたビックリ.まるでコンサートホールだ.中央の祭壇がなければ本当にどこかの市民ホールだ.祭壇の中央には巨大な大日如来像が光り輝いている.ここまで大がかりな演出をしなければならないのなら、いっそのこと動くロボット大日如来や大師像を置けば盛り上がること間違いなしなのだが.宗教というシステム自体が持つ本質的な胡散臭さがストレートに伝わってくる何とも言えないお寺だった.


香園寺を後にして62番宝寿寺、63番吉祥寺と矢継ぎ早にお参りを済ませた.どちらも街中の小さなお寺だったが、気持ちよくお参りのできるお寺だった.64番の前神寺に向かっている途中、K2組が国道の方から慌てた様子でやってきた.何でそんなに急いでいるのか尋ねると、宝寿寺で車でお参りに来ていた男性の人にKNさんの金剛杖を間違えて持って行かれたのだと言う.KNさんが間違えて持って行かれた事に気付き、大急ぎで次の吉祥寺へ向かったが、一足違いで行き違いになってしまったらしい.ひょっとしたら、次の前神寺で会えるかもしれないので急いで前神寺に向かうところだという.


宝寿寺と吉祥寺の間は僅か1.4km程なので相手が車でも追いつける可能性はあったが、吉祥寺から前神寺は3.2kmもあるので、徒歩では到底追いつけそうもないだろう.杖を間違えて持って行った男性が気付いて、前神寺の納経所にでも杖を預けて置いてくれれば良いのだが.


前神寺の納経所に杖の事を聞いてみるがやはりそのような杖は預かっていないという.たかが杖と思うかもしれないが、歩き遍路にとっては自分と苦労を共にしてきた杖はかけがえのない大切なパートナーなのである.


納経所の前にあったお堂が本堂かと思ってお参りしていたら、本堂ではなくて大師堂だった.本堂は境内のずっと奥の方に建てられていた.本堂お参りを済ませ、改めて大師堂でお参りを仕直した.お大師さんにKNさんの杖が無事戻りますようにと一つだけお願いをしておいた.


既に夕方の4時を過ぎていたが、今日はこのお寺で打ち止めなので大師堂の前のベンチで暫く三人でおしゃべりをしていた.KHさんが突然私たちの前を通り過ぎた男性の靴を指さして、あの靴見覚えがあるという.杖を間違えて持って行った男性の顔までは覚えて居なかったが、男性の特徴のある足下だけは僅かに覚えていたらしい.


思い切って男性に声を掛けてみた.色々と聞いてみるとやはり宝寿寺で杖を間違えて持っていた男性に間違いないようだ.この男性は前神寺に来る前に、レストランに寄って食事をしていたので、前神寺に来るのが遅くなったのだという.この男性は杖を間違えた事には全く気付いておらず、自分の車に戻って杖を見直して初めて間違いに気付いた.こうして無事KNさんの元へ杖が戻った.何という幸運だろうか.さすがお大師様.にくい演出をしてくださる.


お大師様にお礼の挨拶をして前神寺を後にした.K2組はこの先の湯之谷温泉に泊まるということなので、途中で別れ今夜の宿がある伊予西条へ向かった.明日は石鎚山登山をするので、この先K2組とはもう会えないかと思うとちょっぴり寂しかった.



起点
 
経由地
 
終点
区間距離
累積距離
備考
湯の里小町温泉 しこくや
 
 
60番 横峰寺
9.2 km
9.2 km
60番 横峰寺
 
 
白滝奥の院
7.6 km
16.8 km
白滝奥の院
 
 
61番 香園寺
2.1 km
18.9 km
乙コース
61番 香園寺
 
 
62番 宝寿寺
1.3 km
20.2 km
62番 宝寿寺
 
 
63番 吉祥寺
1.4 km
21.6 km
63番 吉祥寺
 
 
64番 前神寺
3.2 km
24.8 km
64番 前神寺
 
 
西条国際ホテル
4.4 km
29.2 km


この日の歩数:43,700 歩 【累積歩数:1,615,179 歩 】 歩行距離:29.2 km【累積歩行距離:994.5 km 】

 宿泊先: 西条国際ホテル
      【 TEL 0897-56-4800 FAX 0897-55-4244 】
      〒793-0030 愛媛県西条市大町771番1
      http://www.saijo-kh.jp/

      シングルタイプ: 5,460円
      洗濯機・乾燥機: 有り  (コイン方式)




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