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2009
東海自然歩道 その4(西丹沢自然教室→大棚ノ頭)
西丹沢→箒杉→大滝橋→大滝峠上→畦ヶ丸→城ヶ尾山→菰釣山→大棚ノ頭(→平野)
この日は東海自然歩道の神奈川県の最終ラウンドとなる西丹沢から甲相国境尾根伝いに山中湖まで抜ける道を歩くことにしていた.朝早く西丹沢を出発できれば良いのだが、自宅からだとどうしても出発が遅くなってしまう.ここのところ日没が早いので最終目的地の平野に着く頃には恐らく真っ暗になっているだろう.ヘッドランプを持参してきてはいたが、できれば暗い山道は歩きたくないので、様子を見て途中でエスケープすることも考慮しておくことにした.
新松田駅を朝一番(7:20AM)に出る西丹沢自然教室行きのバスに乗り、大勢の登山客と一緒に西丹沢へ向かった.この日は臨時バスが何本か増発されていたようだった.途中富士山がくっきりと目の前に聳え立っており、富士山を見ながらの山行が期待できそうだった.途中の御殿場線谷峨駅から大勢の登山客がバスに乗り込んできて、バスはラッシュアワー並の混雑になってしまった.
西丹沢自然教室で登山届けを記入し、大勢の登山客が出発して居なくなるまで暫く自然教室で時間を潰すことにした.前回ここに来たときに遭難したという年配の女性がその後どうなったか係の女性に聞いてみた.残念ながらその後この女性は遺体で見つかったという.登山道を外れ沢の奥深くへ迷い込んでしまったようだ.係の女性の話では丹沢近辺だけでも毎年4〜5件の死亡事故が起きていると言っていた.
西丹沢自然教室を午前9時少し前に出発し、大滝橋までバスで通ってきた道路を戻って行った.大滝橋へ向かう途中に全国銘木百選にも選ばれている巨大な杉の木(箒杉)があるというので、ちょっと寄り道をして見物していくことにした.何でも樹齢2000年とかで近くで見るとその幹の太さに圧倒された.
トンネルをくぐり抜けた先が大滝橋で、ここから畦ヶ丸へ向けて山道に入っていく.このルートが東海自然歩道の本ルートになっているが、もう一本西丹沢自然教室から権現山の北側を廻って畦ヶ丸へ向かうルートもある.こちらのルートも東海自然歩道のサブルートに指定されているので、本ルートを歩くことにこだわらないのであればこちらのルートの方が近道である.
大滝沢の渓流に沿いに登山道が設けられていて、沢の音を聞きながら心地良く登って行くことができる.ちょうど紅葉シーズンということもあり、ハイキングには絶好のロケーションだった.大滝峠上という場所に東海自然歩道のルート変更の案内板が設置されていた.以前はここから城ヶ尾峠方面へ向かうルートが東海自然歩道として指定されていたが、登山道が崩落して危険なため平成4年から畦ヶ丸経由のルートに変更されたようだ.
畦ヶ丸頂上の手前100m程の所に畦ヶ丸避難小屋が建っていた.中にはトイレやしっかりしたストーブが置かれているので、泊まりがけで丹沢を縦走するには都合が良さそうだった.畦ヶ丸の頂上は樹木で見通しが効かなかったが西丹沢自然教室から北側ルートで登ってきた大勢のハイキング客でごった返していた.
畦ヶ丸避難小屋のテーブルでエネルギー補給がてら暫く休憩していたら、畦ヶ丸の頂上から溢れてきた団体さんたちが押し寄せてきたので、逃げ出すように甲相国境尾根沿いのルートへ向かった.このルートは富士山を真正面に見ながら進んで行くことになるのだが、廻りの樹木が邪魔をしていて眺めは今イチであった.
この尾根沿いのルートはアップダウンそのものは大したことはないが、小さなピークが無数にありあまりのアップダウンの連続に少々参った.これで視界が良ければ気晴らしにもなるのだが、あたり一帯はブナの林で殆ど視界は開けていない.肝心の富士山も雲に隠れてしまったようで歩いていてもつまらなかった.城ヶ尾山と菰釣山付近で2〜3組のハイカーに出会っただけで、このコースを歩く人は殆ど居ないようだった.
夕方近くになると日射しが殆どなくなり、辺りはガスで覆われるようになっていた.このペースでは日没までに高指山をクリアするのは無理なので、無理をせずに途中でエスケープして麓へ下りることにした.大棚ノ頭という所で山伏峠へ向かうルートがあるので、ここから道志みち(国道413号)へ出て平野へ向かうことにした.
小さな神社を通り過ぎたあたりで私有地の立ち入り禁止のロープに阻まれて国道方向へ降りることができなかった.仕方ないので私有地を避けて国道へ出る道を探すが、辺りは真っ暗でどこが道なのか全く分からない.トンネルの上を通り過ぎたり、戻ったりしたが一向に国道に下りる道が見つからなかった.このままでは埒が明かないので、私有地の中を歩かせて貰うことにした.廃墟の横を通り抜けると直ぐに山中湖側のトンネルの入り口付近に出ることができた.
平野まで4〜5kmの道のりは街路灯も歩道も全く無いのでヘッドライトと自転車用のフラッシングライトを点滅させながら怖々と歩いて行った.道志道は国道と言っても歩行者の事は全く配慮されていないので、猛スピードで近づいてくる車に怯えながら歩くのは苦痛以外の何物でもなかった.
平野バス停まで約45分程で着いたが、次の富士吉田方面へ向かうバスは19:22まで来ないので、隣のセブンイレブンでお買い物をして時間を潰していた.富士吉田駅で富士急に乗り換え大月、八王子経由で帰宅したが、家に着いたのは午後11時を過ぎていた.帰りの道のりの困難さに、とうとう山梨まで到達した事を実感した.
帰宅後、荷物を整理していたらデータロガー(SONY GPS-CS3)が見あたらなかった.平野のセブンイレブンでデータロガーを停止した所までは憶えているので、平野のどこかで忘れてきたのだろう.GPS-CS3を亡くした事よりも、今日の経路情報が記録に残せなかった事の方がショックが大きかった.GPS-CS3には色々と不満な点もあったので、今度はユピテルのGPSレシーバ ATLAS AGS-1 でも試してみようかと思う.
今回はデータが採れなかったので、西丹沢から平野への東海自然歩道ルートはまた別な機会に歩くことにしたいと思う.
Zoom Level: Bearing(Heading): Pitch: Grid Interval:
追記(12/29 2009)
年末の大掃除をしていたら、リビングのソファーの下からひょっこりGPS-CS3が出てきた.てっきり平野で紛失したものと諦めていたのだが、意外な所で見つかったので驚いた.GPS-CS3が見つかったことよりもこの日のデータが残っている事の方が嬉しかった.この正月休み中に同じコースを再度踏破することを考えていたが、次は前回の離脱ポイントの大棚ノ頭から継続することにしようと思う.