iTunes Movie Rentals で視聴してみました

アメリカ国内で始まった iTune Movie Rental でムービーをレンタルしてみましたので、その使い勝手や画質などについて簡単に報告します．できれば Apple TV で HD画質、5.1ch ドルビーデジタルサラウンドのムービーをレンタルしてみたかったのですが、Apple TV を持っていませんので、Mac mini を HDTV につないで観ました．

今回レンタルしてみたムービーは Pixar/Disney の “Ratatouille” で、$3.99 でした．ダウンロードされたファイルの情報を見ると画面の解像度は 853 x 356 pixel で解像度だけを見るとちょっと粗いような気がしますが、実際に 23inch 程度の液晶タイプのTV (SONY BRAVIA KDL-23S2000）で観ている分には気になりませんでした．観た作品がCGアニメーションなので、あまり画質を評価するのには向いていませんが、普通の DVD と較べても遜色はないような気がします．なだらかなグラデーションがかかっているシーンでは、疑似輪郭が多少目立ちますが、実際にDVDでは観ていないので、iTunes のムービーの画質の問題なのかどうかは分かりません．尺の長さが1時間51分の作品でファイルサイズが約1.25GBですから、一般的なDVDよりもかなり圧縮されています．そのためDVDより多少ノイズが目立つかもしれません．最も液晶ディスプレイ自体が画質的にかなり劣るので、その影響もあるのかもしれません．ムービーファイルのダウンロードに結構時間が掛かりそうだったので、途中でそのまま寝てしまいました．ダウンロードに要した時間やダウンロード途中で再生を開始できるのかどうかは試すことができませんでした．

iTunes Movie Rental に対応するには、最新版の iTunes 7.6 が必要ですが、iTunes Store で ムービーをレンタル購入すると、左側の LIBRARY 欄に”Rented　Movies” という項目が加わります．レンタル購入済みのムービーのリストが現れ、視聴前の作品の場合は、視聴可能な残り日数が表示されます．この場合の日数は視聴をこの期間内に開始しなければいけないという意味で、一旦視聴を開始すると視聴可能な期間は 再生開始から24時間です．視聴を開始する際には、最初に視聴の確認ダイアログが現れます．24時間以内であれば何度でも視聴可能です．この記事を書いている時点では、24時間を経過したムービーファイルがどうなるのかはまだ確認できていません．自動的に消去されるのか、それとも自分で消去しなければならないのかはまだ？です．

【追記】

24時間の視聴期限が切れるとダウンロードされたファイルは自動的に消去されました．視聴を開始してから24時間で有効期限切れになるはずでしたが、残り16時間の表示が出ていたのに、iTunesを再起動したら何故か残り時間が23時間に戻ったりしていました．丸２日経過してやっと有効期限が切れました．まだバグがあるのでしょうか？

Steve Jobs のキーノートでは24時間以内であれば、iPod TouchやiPhone などで続きを視聴可能だと言っていましたが、あいにくこれらの最新のガジェットは持っていないので、確認できませんでした．試しに 他の Mac にムービーファイルをコピーして再生してみようとしましたが、単にそのマシンを オーソライズしただけでは、視聴できませんでした．エラーメッセージを見る限り、現在オーソライズされているマシンを解除して、コピー先のマシンでオーソライズし直せば再生できそうですが、レンタルムービーのオーソライズを解除する方法がよくわかりませんでした．

メディアサーバのようなマシンにムービーファイルをダウンロードして、24時間以内であればどのマシンからも再生できるようになっていれば良いのですが、現状ではオーソライズされたマシン以外では再生できないようです．

また、Mac mini 上で OS X Server 10.5 の iTunes 7.6 + Front Row V2.1.2 の組み合わせでは、レンタルムービーは再生できないようです． iTunesで直接再生しなければならないようです．まだテストしていませんが、もうじきリリースされる予定のOS X 10.5.2 でこれらの不具合が解消されると良いのですが．

今回視聴した作品はアメリカ国内向けの作品なので、当然ながら字幕も吹き替え音声も入っていませんでしたので、確かめて見ることはできなかったのですが、字幕や多言語にも対応できるようになっている筈（iTunes の “Control” メニューには “Audio&Subtitle” という項目があります）です．DVDと同じように チャプターサーチ機能もありますので、素早く目的のチャプターに移動できます．DVDのようなタイムラグも、２層記録ディスクの層切り替え時の画像の乱れもありませんのでとても快適です．

最後に、iTune Movie Rental でムービーをレンタルするという方法はとても良いアイデアだと思います．一度この方法を利用すると、もう昔ながらのレンタルビデオ店でパッケージを借りるなどということは考えられなくなるのではないでしょうか．余程のコレクターでも無い限りパッケージそのものを買うということも無くなりそうな気がします．SONYや東芝などの日本のメーカーが下らない次世代DVDの規格争いに現を抜かしている間に、映画のコンテンツでもすっかりApple にさらって行かれましたね．もう次世代DVDなどに勝ち目はありませんね．でも日本はまたこの世界でも取り残されてしまうのでしょうか．

【補足】アメリカの iTunes Store から楽曲を購入する方法について

日本 iTunes Store でもそれなりのコンテンツは購入できるようですが、やはりアメリカの iTunes Store と較べるとその質や提供される曲目やアーティストの数、値段などどうしても見劣りしてしまうのは残念なことです．日本から アメリカのiTunes Store にはアクセスすることはできますが、日本で発行されたクレジットカードは受け付けて貰えないようです．また、iTunes ギフトカードも日本円のものは日本のiTunes Store でしか使えないようです．現状では日本からはアメリカの iTunes Storeで購入するのはちょっと困難です．

ただ、アメリカで売られている iTunes gift card さえ入手できれば、アメリカの iTunes Storeから購入することが可能です．初回購入手続きの際に、E-mailアドレスや住所、電話番号等の情報を入力しなければなりませんが、（滞在先のホテルなどの）適当な住所と電話番号を入力しておきましょう．メールアドレスは、日本の .mac メールアドレスでは自動的に跳ねられてしまうようですが、Gmail などのメールアドレスで構わないでしょう．米国在住の知人や旅行に行く知人に頼んで、頑張ってiTunes gift cardを入手してみて下さい．