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2013
南アルプス鳳凰三山(薬師岳、観音岳、地蔵ヶ岳)
鳳凰三山ほぼ日帰り縦走【夜叉神峠→鳳凰三山→白鳳峠→広河原】
夜叉神峠でテント泊 [9/28 2013]
9月の最終末は特に山へ出掛ける計画を立てていなかったが、土曜日の朝になって絶好の好天が2〜3日続きそうだということで急遽南アルプス方面へ出掛けることにした.土曜の夜に甲府に泊まり早朝4:20AM発のバスで夜叉神峠登山口から鳳凰三山を日帰り縦走する事を考えたが、甲府駅近辺で適当なホテルが取れなかったので朝一のバスを諦めて、前日の夕方から夜叉神峠入りすることにした.
甲府駅前13:00発広河原行きのバスに乗り夜叉神峠登山口でバスを降りる.夜叉神峠登山口までは一般の車が通行可能なので登山道入口近辺の駐車場は一般の車で一杯だった.登山口から夜叉神峠までは広くて段差の殆ど無いフラットな緩やかな道が続いており、小さな子供からお年寄りまで歩き易い格好のハイキングコースとなっている.
夜叉神峠は北岳、間ノ岳などの白根三山を一望する事ができる格好のビューポイントで、登山口から40分程度で登ることができるので土日は大勢のハイカーが訪れるようだ.この日は既に午後3時を廻っていたので時折山を下りてきた人達が通過するだけで小屋の廻りは閑散としていた.鳳凰三山を縦走する場合は南御室小屋か薬師岳小屋あたりで一泊するのが一般的だが、今回はほぼ日帰り縦走と言うことで夜叉神峠にテントを張り、翌朝夜叉神峠から歩き始めることにした.
この日のテント場には私の他には埼玉から車できたソロの男性1人がテントを張っていただけで、とても静かな一夜を過ごすことができた.小屋のバイオトイレのモータ音?が少々耳障りだったが、登山口からほんのちょっとの労力で登って来ることができるので、星空撮影などで思い機材を持ち込む場合には好都合だ.明け方近くにふくろうがテント場の直ぐ側の木に止まって鳴いていたのが印象的だった..明朝雲一つない絶好のコンディションになり、朝日を浴びて輝く白根三山を見ながらのんびりと朝食を食べるのは最高の贅沢だ.夜叉神峠のテント場を利用する人は少ないようなので、テントを張ってのんびり過ごしたい人にはお勧めのテント場だ.但し、水場がちょっと遠いので登山口で予め水を汲んでおいた方が良いかもしれない.
夜叉神峠→薬師岳→観音岳→地蔵ヶ岳(赤抜沢ノ頭)→高嶺→白鳳峠→広河原 [ 9/29 2013 ]
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朝7時過ぎにテントを撤収し鳳凰三山へ向けて夜叉神峠を出発する.4:20AM発のバスが夜叉神峠登山口に着くのが5:30頃なので、出発が早朝のバスを利用する場合よりも遅れてしまった.
最初は緩やかな歩き易い道が続くが登山道の廻りは樹木で覆われ展望の殆ど無い単調な登りが続く.山と高原地図では夜叉神峠から苺平までのコースタイムは4時間となっているが実際に要した時間は2時間も掛からなかった.今回はテントやクッカー、食料などの重装備で歩くはめになってしまったが、日帰りハイクの軽装備であればもう少し時間を短縮できるだろう.南御室小屋で一休みして美味しいと評判の水を存分に味わう.南御室小屋はこの近辺では一番の大きな営業小屋で鳳凰三山を巡るにはこの小屋を利用すれば便利そうだ.南御室小屋から薬師岳まではザレて深く抉られた急な登山道が続くが、深く抉られた登山道を巻くような形で迂回路が設けられているので比較的楽に登ることができる.
砂払いという場所に出ると360度視界が開け一気にテンションが上がる.前方には薬師岳とその奥に甲斐駒ヶ岳、右手には麓の甲府盆地や八ヶ岳連峰、右手後方には富士山、左側は北岳を始めとする白根三山を一望することができる.一旦下って薬師岳小屋から再び登り返して白い砂地の平坦な薬師岳の頂上に到着した.
薬師岳を後にして三山の中で一番高い観音岳へ向かう.観音岳の頂上は大きな岩の上で三角点が置かれていた以外はそれと言った特徴はないが、360度の素晴らしい展望が得られる.地蔵ヶ岳は今回の縦走コースから少し離れているので今回は大きな岩のオベリスクがある地蔵ヶ岳へは立ち寄らなかったが、次回はオベリスクの岩の上に登ってみようと思う.
今日の目的地の広河原までは高嶺を越えて白鳳峠へ下りそこから広河原へ急な斜面を一気に下りていく.高嶺から白鳳峠までは急な岩場の斜面が続き、岩場の急斜面に慣れていないと降りるのは結構大変そうだ.白鳳峠からアサヨ峰方面は先日の台風で登山道が崩壊してしまったようで通行止めになっていた.白鳳峠から広河原までの下りは最初は比較的緩やかな岩だらけのゴーロ地帯が続くが、森林地帯に入ると一気に急斜面になって疲れた足腰には相当厳しい下りが続いた.この下りは足場が滑り易くバスの時間を気にしながら焦って下りるのはとても危険だ.地図で眺めているだけでは良く分からないが、このルートは上りも下りも相当厳しいことを覚悟しておいた方が良いだろう.
日帰り予定の軽装備であれば朝甲府駅を4:20発に出るバスを利用し、帰りに広河原4:15PM発の最終バスを利用するという工程は健脚な人で在れば十分可能な山行だろう.逆に広河原までバスで行き、鳳凰三山を廻ってから夜叉神峠登山口まで下りて来るのも有りだろう.いずれの場合も日帰りの軽量装備をお薦めする.テント泊の重装備でこのコースを日帰りするのは結構しんどかった.この日の広河原からの甲府方面の最終バスは団体客用の便も含めて6〜7台連ねて運行されていた.新宿〜甲府間は高速バスが圧倒的に安いが中央自動車道の渋滞に巻き込まれると悲惨な事になるので、新宿まではJRの特急で帰ることにした.特急あずさは混むので特急を一本見送って甲府発の特急かいじで楽勝で座って帰ることにした.