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2017
ひょいと利尻へ
快晴の利尻山
今年の北海道遠征は当初は十勝岳連峰から大雪山系を縦走する予定だったが、台風18号とまともにぶつかってしまったため急遽予定を変更して6日遅れで北海道入りすることにした.どの空港から北海道入りしようかと考えあぐねていたが、たまたま宗谷地方だけが晴れていたので十勝岳連峰は諦め、稚内空港経由で利尻へ向かうことにした.
これまでに利尻山は幾度となく登ってはいるが、完璧に晴れて雲の無い状態での山頂には立ったことがなかった.今までのリベンジという訳で今回は快晴の利尻山から思う存分景色を楽しむことにした.利尻山は海の上に浮かぶ独立峰のため天気を予想する事が難しく、常に周辺の海から山へ向かって雲が湧き上がっている山だ.利尻山の頂上で雲一つ無い快晴に恵まれることはなかなかない.
この悪条件を克服するため2〜3日安定した天気が望めそうな期間に、避難小屋を利用して雲の無い時間帯を見計らって頂上アタックを狙う作戦だ.利尻入りした翌日、天気は快晴で朝方利尻山に雲が掛かっていたものの直ぐに雲一つ無い好天に恵まれた.甘露泉水で4リットルの水を給水して、避難小屋まで持ち上げるのは流石に辛い.今回は沓形方面へ下りる予定だったのでテント装備のザック20Kg+水4kg とヘビー級の重量となってしまった.
早朝に登った人達が下山してしてくる中をのんびり登って行く.長官山でお約束の一等三角点チェックを済ませ、避難小屋でザックを降ろし暫しお食事休憩とする.この分だと午後も雲一つ無い快晴が続きそうなので、頂上の景色を独り占めできる夕方の時間帯まで頂上へは行かないことにした.長官山から避難小屋へ向かう途中で左手の緩やかな斜面の小さな沢筋に水が流れているようだったので、水場探しをしてみた.
斜面の雨水筋に沿って下りて行ったが、想像以上の藪漕ぎを強いられた.僅か200〜300m程度進むのに何十分も掛かってしまう.自分の身長以上のクマザサや灌木の中はまともに歩けたものではない.今までの藪漕ぎの中でも最悪級だった.苦労して水場に辿り着くと結構綺麗な水がチョロチョロと流れていた.煮沸して使用する分には全く問題無い水質だ.利尻避難小屋の難点は水場が無いことだが、この水場が使えると麓から水を持ち上げなくても済むのでかなり楽になるのだが... 藪漕ぎの苦難を考えると麓から持ち上げる方がまだ楽かも...
午後遅くになって登山者が少なくなる頃合いを見計らって頂上を目指す.頂上付近は相変わらず雲一つ無く視界良好だ.誰も居ない頂上で暫し絶景を堪能する.今回の北海道遠征はこれで主目的達成という所だろうか.日没まで頂上に居ようかと思ったが、まだ1時間以上時間を潰さなければならないので、日没は避難小屋の周辺で眺めることにして頂上を離れた.
翌朝、日の出を眺める予定だったが、寝坊してしまい目が覚めたときは既にお日様が昇ってしまっていた.日の出の時刻は利尻山の頂上付近は見えていたが、1時間もしない内にガスで覆われて見えなくなってしまった.昨日は本当に天気に恵まれていたようだ.
当初の予定では沓形コースで下山する予定だったが、このガスでは三眺山からの展望は期待できないので、そのまま鴛泊へ下山することにした.利尻富士温泉で一風呂浴びてから島を離れることにするが、フェリー乗り場へ向かう前に前回果たせなかったペシ岬にあるもう一つの一等三角点をゲットすることにする.結構急な斜面を登った先にお目当ての一等三角点『鴛泊 TR16741619801』が設置されていた.それにしてもなぜこのような至近距離に一等三角点が2つも設置されて居るのだろう???